パラパラ♪ ポツポツ♪ そんな音に目を覚ました。 久しぶりだ。 テントの中で雨の音を聞くのは。 フェリーターミナルの駐輪場に張らして頂いたテントを。 軒下に移動する。 雨の降りだしから僅か30秒の早技だ♪ そして。 何事もなかったようにすぐに眠りに着いた。 深夜? 早朝? AM3:55起床。 最近早起きだが。 何もおじいさんになった訳ではない。 フェリーの出港がAM5:00なのだ。 今日も荷物を半ば強引に押し込み。 準備完了。 窓口でチケットを購入。 する前に。 一計を案ずる。 どの港に降りるべきか。 理由はこうである。 実は。 最初に立ち寄った島でお会いしたTさんが。 とても重要な事を教えて下さった。 『○○島にKYOさんという、この辺りの島のまとめ役がいるから訪ねて見たら?』と。 『すごく面倒見のいい人だから♪』ともおっしゃっていた。 そして。 翌日。 次の島へ渡る船を待っている時。 Tさんがターミナルに来て下さった。 『今日、明日。KYOさんの所で大会があるらしいよ♪』と。 島で行われるサーフィンコンテスト。 ぜひ見てみたい♪ 何より、島のサーファーさんに会ってみたい♪ 出来る事なら今日、その島に渡りたいが。 あいにくその島に行く船が無い…。 途中の島を経由して行かなくてはならない。 そして昨日。 この島に着き。 今から目的の島に向かおうとしているのだが… しかし。 一つ大きな問題があった。 それは。 コンテスト会場も。 そもそも。 サーフポイント自体がわからないのだ。 それはTさんも同じだった。 でも。 その方が面白い。 探す楽しみがある♪ ここです!と地図にマークがしてあったら。 ただただそこに移動するだけの作業になってしまう。 そんなこんなで。 今、ターミナルのベンチで一計を案じている訳だ。 しかも、出港の時間は刻々と迫って来ている。 その島には二つの港がある。 正確には別々のしまだが。 北の港と南の港がある。 そのどちらに降りるかを迷っているのだ。 無い頭をひねった。 まず。 大会を開催するには波が必要だという事。 もとより波情報など存在しない。 風やうねりの向きを参考に。 島の西側か東側かを決める。 問題はその次だ。 北から探すか南から探すか。 縦に長いこの島だ。 しかも。 この辺りの、大小様々な島を見る限り。 島というより。 海に山がそびえている。 そんな感じだ。 そんな島の道は当然容赦ない峠の連続だ。 この選択を間違えれば。 タイムアップで終了♪も十分有り得る… 入り組んだ海岸線。 地図と真剣な睨み合いが続く。 しかし時間が迫る。 焦る…。 こんな時は。 頭を真っ白にして。 発券窓口に向かう。 選択肢は二つだ。 乗船券を買うその瞬間に決めよう。 と、そう決めた。 この方法はファミリーレストランなどに行った時にしばしば使う。 お腹が空いている時に。 あんなに美味しそうなメニューの写真がいっぱい並んでいたら。 当然。 迷う。 出来る事なら全部食べたいが。 その中から一つを選ばなくてはならないのだから。 二つ三つ位までは選択の幅を縮める事が出来るが。 最後の決断が出来ない…。 そんな時は。 ポチっ♪と呼び出しボタンを押す。 まだ決まっていないにも関わらず。 そして。 店員さんが近づいて来るのに焦燥感を感じながら。 『ご注文はお決まりでしょうか♪』 の問いの直後に頭に浮かんだメニューを頼むのだ。 きっとその時に頭に浮かんだご馳走が。 自分の一番食べたかったものなのだ。 と、思っている。 ので。 今回もそうする事にした。 『おはようございます!え~…っと。ここまで大人一人と自転車をお願いします♪』 こんな時。 毎回思うのだが。 結局最初から答えは出ていたのではないかと思う。 そうして。 降りしきる雨の中。 フェリーに乗り込んだのは今朝5時の事だった。 続く♪ |