唸る風の音が。 一晩中鳴り響いていた。 目を覚まし薄暗い外を見る。 ほっ♪ 雨は降っていない。 ただ、相変わらず風は強い。 身支度をすませ。 子猫にバイバイしてから出発。 まずは道の駅へ。 昨日、Mさんが明日も朝からここにいると言っていたので。 お礼を言いに向かう。 道の駅に着き昨日もお世話になった売店の方に挨拶を。 Mさんは何やら打ち合わせ中のようだ。 少し離れた場所からMさんに頭を下げた。 すると。 自分の所まで来て下さった。 『ありがとうございました!』と固い握手をした。 昨日。 ここは島だから。 と、Mさんはおっしっていたが。 Mさんならきっとどこにいても、困っている人に手を差し延べるだろう。 そういう思いやりと優しさの滲み出た方だった。 さて。 早く橋を越えて元のルートに戻らなければ。 早くしないと、橋が強風で通行止めになる。 と、教えてもらったからだ。 そしてこの橋を渡るのに。 今までに経験したことの無いような猛烈な風と闘う事になった。 とても自転車に乗っては渡れない。 自転車を押して進む。 左から吹き付ける風に今にも吹き飛ばされそうだ。 ちょうど。 左側にショルダーチャージをするような感じで足を踏ん張りヨロヨロと…。 風上に顔を向ければ呼吸さえままならない。 着ている服はバタバタとものすごい音を立てている。 背中に背負ったバックパックのベルトが。 風に煽られバシバシ顔にあたる。 痛い…。 が、どうする事も出来ずやられっぱなし。 写真ではとてもこの風の威力を伝えられない。 どう説明すればわかるだろうか。 自分の坊主頭に短い髪形が。 左から右にかけて7:3分けになってしまう位の強風だ(笑) ツンツンした髪の毛を風に颯爽てなびかせて。 なんとか難所を乗り越え。 ルートに戻った。 それから進路を南に取り。 港町へやって来た。 西へ向かう船に乗るためだ♪ 今日はターミナルで一夜を明かし、明日の朝の便に乗ろうと考えていた。 が。 聞いて見ると。 ターミナルは夜閉まるらしい。 どこと無く。 デンジャラスな雰囲気のこの港町。 野宿するにはかなりの勇気がいる。 ふと見た時刻表に。 17時発の便を確認。 島への到着は20時。 決断にそう時間はかからなかった。 島に行こう! と。 今日はここまで♪ ではまた! |