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第百四十一話  “ 水晶浜上陸作戦 ♪ ” 09-29・・・・の全編

朝だ。

街中にあるビジネスホテルの中からは外の天気さえ伺えない。
外に出てみると。  清々しい秋晴れだ。

まずは敦賀半島へ向かう。

最近思うのだが。
日本にはこんなに原子力発電所があったのか。  と言うことだ。
敦賀半島は北海道の知床半島のように。
ぐるっと一周出来ない。
途中で峠を越え。  一気に反対側に行くしかない。
自分の持っている地図には乗っていなかったが。峠にトンネルが開通したようで。
意外とあっさり反対側へ。

水晶浜。


ちょっと休憩♪  と水晶浜の駐車場に入って驚いた。
ふと見た海にサーファーさんがいたのだ。



まぁ落ち着け。    と、自分に言い聞かせ。
まずは朝食用に買っておいたメロンパンの封を切る。

一口。   二口。   むしゃむしゃ食べていると。
お父さんが近付いてきた(笑)



お父さんが目で何かを訴えるので…    残りのメロンパンは半分個にした♪

さて。   お父さんが。  ビーチの南の方へ歩きだした。
たまに自分の方を振り返る。  そしてまた歩きだす。
ん?と思い。  裏の畑でポチが鳴く的感覚で着いていくと。

ビーチの南側?でドカーン!と波が割れていた♪



おぉぉ♪と、思い。  そのブレイクの目の前にある駐車場へ行くと。
サーファーさんの姿があったので。
こんにちは~!と皆さんに挨拶。





皆さんいい人ばかりで♪  すごく和やかな雰囲気。  しかし目の前でブレイクしている波は。
ドカーン♪  ドカーン♪と。



スーパーショアブレイクだ…。
なんだかすごい迫力。
ショアで巻かれたら…
と。  一瞬入るのをためらったりしたが。
今、目の前にある波が自分に与えられた波。  この波に乗らずして次に与えられる波はなし!

でも…
と、思っていると。  一人のサーファーさんがやって来て。  入らないの??といった感じで。
『お先に~!』と海へ。



そのSさんが何の迷いも無く海へ向かい、ささっ~♪と波に乗った姿を見て。



よしっ!行くぞ!と。  ちゃちゃちゃっ♪と着替え。
セットのタイミングを慎重に慎重にそれは慎重に計り。
今だ!えぃ!とゲットした。

海にいたサーファーさんに挨拶をし、Sさんにも挨拶。

同じピークにいたKさん達とSさんと。



海の中も和やかムード♪

さて。  どの波に乗るべきか。  ひとまず様子を見る。

3分経過   5分経過  10分経過…。
わからない…。

こうなったら。  次のセットで行く!と決め。  
しばらく待つとセットが来た。
心の中で。
うぉぉ!  と叫びながらパドル開始。
板が走り出した♪

えぃ♪
と、テイクオフ!  した次の瞬間
こっこれは!
ボトムに下りようとした時。  ぎゃぁぁぁ!!(心の叫び)

すでにその場所はスーパーショアブレイク♪
このままボトムに下りたら…(冷汗)  確実に。   ヤ・バ・い

と、ここまで1/100秒位の出来事だ。

慌てて死に物狂いのプルアウト。
ふぅ~…。

回りの皆さんがあまりにも早い自分のプルアウトを見て笑っている…。
はははぁ♪と思わず照れ笑い。
そんな中でもSさんやKさん達はセットを絶妙な位置で掴みメイクしている。
これは一本しっかり乗るまで上がれない…。
と、勝手に変なプレッシャーを自分に与える。

数分後。  名誉挽回のセットがやって来た♪
とりゃぁ!!
と、バックサイドの波にテイクオフ。

おおっ!  今度は行ける!?
と、ボトムを半分位下りた時。
その先にあるフェイスが一気にめくれあがる…。

ぎゃぁぁぁ!  と、緊急避難プルアウト…。
今度は苦笑いでラインナップへ戻る。

今度こそ!  と、心に誓い。  セットを待つ。
が、ピタリとセットが来なくなってしまった。

回りのサーファーさんはこのタイミングでぼちぼちと上がり始めた。
海にはSさんと、なぜか一本しっかり乗るまでは上がれない!と強迫観念に捕われた自分。

待つ。  しばらく待つ。  まだまだ待つ。  ・・・・・ずっと待つ。

と、その時!  ちらっと沖合にセットが見えた!
一本目スルー。  そして二本目。
これだっ!
と、ここしかない!と言うポジションに移動。

うぉぉぉぉ!!
と、全力でパドル開始。
しかし頭に何か不安が過ぎった。

パドルを開始する瞬間。  この波の次とその次に。  
ちらちらっと。  次の波の波頭が見え隠れしていたような…。
幸か不幸か絶妙なポジションでテイクオフしてしまう自分。
今度はフェィスが残っている。

なんとか少しだけ横に走り。
どこでプルアウトするかタイミングを計る。
訳のわからない根性でギリギリまで乗りプルアウト。

ふぅ♪よかったぁ~  なんとか一本乗れた♪
安堵のため息。

も、つかの間。  ぎゃぁぁぁぁぁ!
さっきこの波に乗る瞬間に頭に過ぎった最悪のシナリオが目の前に…。

セット。



彼等は群れを成してやって来る。
すぐさま板を離し。  波の下に潜る。

◎☆§∞゛ヴゎΨα㈱  ぶはぁっ。
*参考画像


◎☆§∞゛ヴゎΨα㈱  うぎゃぁ。
◎☆§∞゛ヴゎΨα㈱  ひぃぃ~。
◎☆§∞゛ヴゎΨα㈱

以下に自分が無力かを痛感する瞬間だ。
無抵抗の自分をクリスタルなショアブレイクが弄ぶ。
既に戦意喪失。  もう岸しか見えない。

沖をセットが来ないかとヒヤヒヤしながら見つつ。
すぐ先にある岸を目指すも、足がとどかない…

人間。  慌てると実に不思議な行動に出るらしい。
一刻も早く上陸したい自分は。  なぜか次の瞬間。  そのショアブレイクにテイクオフした。

結果は明らかだ。
急降下のFUJIYAMAよろしく。
岸に叩きつけられ…   ◎☆§∞゛ヴゎΨα㈲…。  が、結果よければすべてよし。

全身砂まみれ。
いや。
水晶まみれになりながらも奇跡の生還を果たしたのだった(笑)

*駐車場やポイントにいたサーファーさん!なんだかすごく楽しかったです!
ありがとうございました!

ではまた!

 

第百四十三話  “ ポツポツデレデレなぜなぜガチャガチャびゅんびゅんヒヤヒヤピカピカグゥグゥな日” 09-30 & 10-01

■■■ ポツポツ ■■■

久しぶり?の雨だ。
海沿いの道を走って行く。

しばらく行くと。  高浜エリアに到着。
波は腹前後だろうか。  海は大勢のサーファーさんで賑わっている。
橋の架かっている河口の場所。

しばらく様子を見る。
レギュラー側のピークは大混雑。
でも♪  なぜかグーフィーの方は空いている。  
こんな事がたまにある。

雨の中着替えを済ませ。  いただきます♪
運よくセットに数本乗れたので。  今日はこれで。  ごちそうさま♪

再び走り出すと。  福井県から京都へと。

最初の街で今日はストップすることにした。




*大阪のYさん!声かけて下さってありがとうございました!


■■■
デレデレ ■■■

朝はひんやりと少し寒い位だ。
さて。
今日は少し頑張って走らねば♪  と、勢い良く国道を走り出す。
も。
なぜか引き返し。  国道を外れた海沿いルートを進む事に。
やっぱり多少遠回りでも。  交通量が少ない道の方がいい。

川沿いの道を進み。  橋を渡り。  そこしか道がないので国道に出る。
少し走ると。
反対車線の車の方が手を振ってくれている♪  慌てて挨拶を返す。

その少し後。  どこかで引き返して来て下さったようで♪  『ブログ見てます!』と。
美女に囲まれデレデレと(笑)
不思議なもので。  AさんMiさんは。  パタゴニアにお勤めで。
今日はタイムリーに北海道のYさんの彼氏さん、Eさんから頂いたパタゴニアのTシャツ着用♪

さらにMiさんは。
鎌倉でお世話になったモリケンさんともバッチリ面識があるようで♪
なぜか鎌倉での出会いが京都で繋がった。



*AさんMiさんMaさん!  応援ありがとうございました!  
モリケンさんにもよろしくお伝えください!


■■■
なぜなぜ ■■■

なんだか軽快に走り出し。  グイグイと坂を登っていると。
バァ~ん!とハコブンダーがパンク。

えぇ…。このタイミングで…。

とは、今日の目的地をかなり遠目に設定してあるからだ。
不慮の事態にバタバタとパンクを直す。

何とか修理を終えた時。  目の前に一人のチャリダー。
ちらっと見たチャリに。
えっ!?  シーナサーフのステッカー!??  と、思ったら北海道で出会ったY君だった♪

これには驚いた。
最近ではチャリダーさんの姿を見かける事も少ない中で。  まさかここで再会出来るとは♪

再会を喜び合い、この先の天橋立で待ち合わせる事に。






■■■
ガチャガチャ ■■■

天橋立に先に到着した自分は。
懐かしい駄菓子屋さんの雰囲気に誘われて、おばちゃんとあれこれ話しながらY君を待つ。

子供の頃。  駄菓子屋さんと言えば。  街の中のディズニーランドであり。
子供の社交場だった。

一年生か二年生の頃。  ずっと回して見たいと思っていた100円のガチャガチャ。
念願叶い手にした100円を持ち。
駄菓子屋さんへ向かう。
ドキドキしながらお金を入れ。  レバーを回す♪

ガッ♪  ?   あれ?  ガチャっと回らない…。

回るはずがないのだ。  100円のガチャガチャは100円硬貨専用。
自分は確かに100円を入れたが。  入れたのは50円硬貨2枚…
駄菓子屋のおばちゃんに涙ながらに訴えるも信じてもらえず…
子供が生きた社会勉強をする場でもあった。




■■■ びゅんびゅん ■■■

しばらくするとY君がやって来た。
日本三景の地で砂煙りを巻き上げながら。  二人で天橋立をチャリで突っ切る♪
後で知ったのだが。
天橋立は突っ切るものでなく、上から眺めるものらしい(笑)
勢いそのままに国道に入り。  Y君の後に着いて走る。

早い…。

びゅんびゅん走るY君に必死で追い縋り一緒に走る。
おかげでかなり早い段階で最初の目的地付近まで着いてしまった。

スーパーで買い出しをすると言うY君とここで別れる事に。








■■■ ヒヤヒヤ ■■■

目的地に到着したものの。
まだ日没まで2時間半ある。  次の道の駅まで30数㌔。
Y君もこの先の道の駅まで行くと言っていたし。
行ける♪  と、思い走り出す。
も。
考えが甘かった。
久々に足に堪える峠の連続。  全く距離が進まない…。

ヤバい…。  間に合わないかも…。

又しても、日没との闘いが始まった。
6月7月なら7時過ぎまで明るいが。  さすがにこの時期は6時になればもう暗い。

急がねば!

途中、猿の群れに歓迎されたり。  道端の木の枝が急に動きびっくり。
枝だと思っていたのはヘビだった。
いくつ山を越え。  断崖絶壁を通り抜けただろう。
目的地まで後10㌔位に迫った時。  日没まで40分前後。
日が落ちるのを覚悟した自分は電池が残り少なくなっていたヘッドライトに単三のエボルタを入れる。

すると、後ろから。
『やなっちですか!?』と、声がかかった。

Kさん♪
北海道の苫小牧でお会いした紀ノ国屋のNさんのお知り合いのようで。
今日はなぜか色んな所の人と人が繋がる♪

今度、北海道にサーフトリップに行くと言うKさんと話していたら何だか楽しくて。
ついつい時間を忘れて話し込んでしまい(笑)
むしろ日没を心配したKさんに促され…ここでお別れ。
*Kさん!丹波の黒豆パン美味しかったです!ありがとうございました♪

さて。
ヒヤヒヤしながらも。  日が沈み、薄暗くなった頃  辛うじて道の駅に到着した。








■■■ ピカピカ ■■■

どうやらY君はまだ到着していないようだ。
もう暗いし、どこか手前の野宿ポイントに避難したかな?
と、思っていると。
すっかり暗くなった道の駅にエレクトロパレードのようにピカピカとライトを点滅させてY君がやって来た♪
おっ!来た来た♪
一人の野宿と、旅人と一緒にする野宿では。  楽しさも心強さも全く違う。

今日は楽しい野宿になりそうだ♪






■■■ グゥグゥ ■■■

お互いの旅の話しをしながらK君が新潟の酒蔵で貰ったと言う日本酒で乾杯♪

尽きる事ない旅話し。
いつの間にか酔ってグゥグゥ寝てしまった。
そう。  昨日、今日は。
ポツポツデレデレなぜなぜガチャガチャびゅんびゅんヒヤヒヤピカピカグゥグゥな日だった♪

ではまた!

 

第百四十四話  “ ~サーフィンという言葉だけを信じて~ ” 10-02

Endless Trip


とは。
田谷さんと言う方が七年程前に出した本のタイトルだ。

半年間かけて。
愛車波乗り号に乗り込み。  日本一周サーフトリップにでた方の本のタイトルだ。

これも何かの巡り合わせなのか。
その田谷さんにお会い出来るチャンスが突如として巡って来た。
しかし。
そのチャンスにはリミットがあった。
前日。
迫り来る日没に。  ヒヤヒヤしながらも峠を越えたのはこれが理由だ。

10月2日 朝
野宿が一緒だったY君と別れ自分はある場所を目指す。

守源旅館さん。
そこに田谷さんがいるらしい。
しかも守源旅館さんは。  八丁浜のSoldier Blueさんで。
守山さんは八丁浜のローカルさんで。
……。
もう何だかよくわからない。

こんな時は。  どうせ思案を巡らす頭もないし。  あまりとやかく考えず。  体当たりで望むべし。
と言う訳で。
守源旅館さんを探す事に。

さてさて。
素晴らしい街並みだ。



函館のライダーハウス ウィロビーさんに行ってからだろう。
こういう日本的な家屋と町並みが大好きになった。



路地を曲がる度にシャッターをきってしまう。
そして。
迷いながらいくつかの路地を曲がった時。

おぉぉ!と。
再びポケットからカメラを取りだし。



カメラを構えた場所が守源旅館さんだった♪

ガラガラガラガラァ~♪  と、引き戸を開ける。
思わず。
『頼もぉ~!』と言いたくなってしまう気持ちをぐっと抑え。
『こんにちは!』と。
すると。
中から現れたのは一見怖そうな。
しかし。  笑うとめちゃめちゃ優しい顔の守山さんだった♪

『はじめまして~かくかくしかじか~やなっちです!』
電話中だった守山さんは、『上がって上がって!』とジェスチャーで。

今までに入った事のないような高級老舗旅館。



そして、ジェスチャーで案内していただいた旅館の中に。
突如として現れたサーフショップ Soldier Blue。



これには感動した。
最近、能登半島位からイメージしていた和と波乗りの空間がそこにあったからだ。

電話を終えた守山さんに改めて挨拶。
『まぁ逗留するつもりで2~3日体を休めていきな!』と。
お部屋まで用意して頂いてしまった。
そして、板場で料理修業中の田谷さんを紹介していただいた。

が、仕込みの真っ最中。  夜、ゆっくり話す時間をとって頂いた。

さて。
夜までまだまだ時間があるので。  ふらふらっと自転車にまたがり。  八丁浜へ行ってみた。



青い空。  白い砂浜。  クリアな海。
沖縄旅行のキャッチフレーズのような光景だった。

海の左奥で、数人のサーファーさんが波乗りを楽しんでおり。
駐車場に到着し、迷わず着替える。
サーファーさんに挨拶をしながら沖に向かう。
ひざ~たぁま~にもも。
それでもこのロケーションの中で波乗りが出来るなら最高だ♪

しばらくすると。  腰位のセットが入りだし♪
気付けばだいぶ長い時間波乗りを楽しませてもらっていた。

海からあがり。
チャリやハコブンダー達の元へ戻ると。
一人の女性の方が声をかけて下さった。

能登でお世話になったなにタコマンさんのお友達。

丹後ローカルのあんさん♪



差し入れをたくさん頂き。
その後しばらく海を見ながらお話しさせて頂いた。

海への思い。  ひしひしと感じた。
そして今。
自分が旅を出来ている事に改めて感謝した。
*あんさん差し入れ、そしてゆっくりとした時間をありがとうございました!
今度はなにタコマンさんと一緒に!

そして。
海上がりに声をかけて下さったAさん!



海の中でも波を譲って頂いたりと♪
Aさんは種子島へも良く行かれるようで。
South borderさんのマチさんと、シュウさんの話しが出て。
懐かしいし♪嬉しいし♪
何だかやっぱり。  日本中サーフィンを通じて繋がってると実感出来た。

*Aさんありがとうございました!種子島に行かれたらぜひよろしくお伝えください!

さて。
守源旅館さんに戻りお風呂を頂き。  うとうとし、少し寝てしまった。

夜。
『やなっち!ご飯出来たぞ!』と守山さん。

招かれたのは旅館の中にあるBarだった。





まさか旅館の中にBarまであるとは思わなかった。
さっきまでSoldier Blueの店長さんだったKさんがバーテンさんに早変わり♪

そして次から次へ運ばれて来る料理。





美味しい~♪

しばらくすると。
83さんご家族も来店。



守山さんの幼なじみのようだ。
大忙しだった旅館のお仕事が落ち着いたのは夜も遅くなった頃。
今日は2Fのお座敷でライブがあり。  たくさんの方が詰めかけていたからだ。

守山さんと83さんと田谷さんと。



お話し出来る機会が来た。

それぞれの日本一周。
田谷さんは。  旅に自分探しを求め。
自分は。  自分の可能性を信じて旅に出た。

形も旅のアプローチの仕方も。  全く違うが。  一つだけ同じもの。
サーフィンが好きだと言う事。

~師走のあわただしいある日、 旅館の帳場で事務仕事をしていたら、
突然勝手口にから茶髪の兄ちゃんが現れた。

~中略~

以前から私のところへは、そういうややこしい奴がたまに顔を出すので、
まあそのうちの一人だろうと思い、"サーフィンという言葉だけを信じて"
どこの馬の骨かわからない男の人生の一部を聞く事になったのである。~

これは。
守山さんが書いた田谷さんのEndless Tripのあとがきの一節だ。

この中の。
"サーフィンという言葉だけを信じて"

これがサーフィンの素晴らしさだと思う。
自身にたくさんのものを与えてくれるサーフィン。
サーフィンというものを通じて人と人を結び付ける。
すべての海が繋がっているのと同じように。
上手い下手は関係ない。
どれだけサーフィンが好きかどうか。
そこにサーファーとしての根本的な価値観がある。

自分のようなヘナチョコサーファーでも。
サーフィンが好きと言う気持ちはレジェンドサーファーさんにもプロサーファーさんにも、ローカルサーファーさんにも伝わるのだ。

それが。
サーフィンという言葉を信じられる理由だと思った。

今日はここまで♪

ではまた!

 

第百四十五話  “ 自分にできる事・自分にしかできない事 ” 10-03

守山さんと田谷さんに出会うきっかけを作って下さったのは。
大阪のMOTOKIさんだ。
思えばずっとお世話になりっぱなしだ。

そして今日。  波がないにも関わらず。  大阪からが八丁浜まで会いに来て下さった♪
伊勢依頼の再会だ。
『次に会う時は一緒にサーフィンしような♪』との約束は果たせなかったが。
自分としてはこうして会えただけで十分だった。

八丁湖のほとりで。  積もりに積もった話しを♪
ちょうどそこへ。  守山さんと83さんも来られ。  4人であれやこれやと♪
しかし。
なんとなぁ~くMOTOKIさんの元気が無いような…?

その後。
守源旅館さんでMOTOKIさんとゆっくり話せた。

どんな人にも悩みがある。
それが自分だけではどうにも成らない事ならば。  辛さも増す。
こんな自分にも精神的に追い詰められ。
自分の四方が暗く、そして果てしなく高い壁に囲まれてもがき来るしんでいた時があった。
状況は違えど少なからず気持ちは理解出来る。

でも。
自分にはその状況を解決する術も経験もない。

そんな時思うのは。  
きっと。  自分にもできる事がある。  という事だ。
それが役に立つかはわからない。

今の自分にしかできない事。
この旅で出会えた大阪の兄。
モトにぃに少しの元気と少しの勇気を与える事。

それならきっと自分にも出来る。

この旅は。  一人旅だ。
でもそうは思わない。
出会えた人。  応援して下さる人。
皆の旅だと。
今はそう思っている。

ハコブンダー(リアカー)にはたくさんの人達の気持ちが乗っている。
自分はその想いや気持ちをゴールへと運んで行く。
その力を与えてくれている人達のために。
自分ができる事。
自分にしかできない事をするのみだ。
だってそれしか自分にはできないのだから。

でも。
少しでもほんの少しでもできる事がある喜び。
それに感謝だ。

旅も終盤に差し掛かり。  いろいろとガタもきて。
ここから先の道のりにまだ見ぬ困難が見え隠れしている。
でもそれを乗り越えてこそ。  できる恩返し。
ちょっと格好付けた文面で恥ずかしいが。  それが素直な気持ちだ。

モトにぃが大阪へ帰って行った時。  そう思った。

さて。
今日、板前さんの修業を終え埼玉へと帰る田谷さん。
旅の途中で出会えた事に感謝だ。

*田谷さん!本やいろいろな話し。ありがとうございました!

夜。
守源旅館さんの帳場で守山さんと龍馬伝を見ながらお酒をいただく。

逗留二日目。
今日も少し飲み過ぎてしまった(笑)

ではまた!

 

第百四十六話  “ WABI-SABI ” 10-04 & 05

逗留三日目。
守源旅館さんにお世話になって三日目だ。

守山さんは今月8日から千葉・鴨川で行われる。
サーフライダーファウンデーションの国際会議の準備で大忙し。

あっ。
守山さんはサーフライダーファウンデーションの理事をされている。
そんな時にお世話になっている自分…。
にも関わらず。
『とにかく今は体をゆっくり休めなあかんで~それが一番や!』と笑顔で言って下さる。
ついついお言葉に甘えてしまう。

さて。
もしかしたら。  波が上がるかも!?の予想に。  八丁浜に赴く。
も。
波の気配はなし。

天気の良い日に海を眺める。
ぽかぁ~ん♪としてみる。



毎日毎日。
迫り来るトラックや、日没にヒヤヒヤしたり。  朝夕の冷え込みもなければ雨の心配もない。
こんなにのんびりダラダラしたのはいつ以来だろうか。

こうして何にもしないで一日過ごしてみると。
いかに毎日の旅に神経を使っていたかが良くわかる。
極限の状態まで行かなくても。  繰り替えされる毎日の旅の試練。

少しは自分を強くしたのだろうか?

思えば。  旅の序盤。  鹿児島や宮崎で。  雨に打たれ。  虚しくなり。
その先の長い長い道のりに愕然とした日もあった。
そう言えば。
泣いた日もあったっけ(笑)

出会った人と別れる時。
また一人に戻ってしまう事に寂しさを覚えた事も何度もあったし。
自分の心に余裕が無いばっかりに嫌な事に文句を言った日もあった。

いつからだろう?  
そんな自分が変わりはじめたのは。

この日を堺に、という日はなかったと思う。
日々の出来事から少しづつ少しづつ。  何かを吸収してきたんだと思う。
様々な状況、いろんな土地で。

つまりは。

ちっとも強くなんかなってはいないって事だ。
経験を積んだ分だけ。  何とかなるさ♪
と。
諦めたらそこで終わりだ!
そして。
悪い事は何かその先にあるいい事に繋がってる♪
と。
そんな根拠の無い無責任な感覚を身につけてしまったようだ。

さて。  午後。
まだ今日のサーフィンが諦め切れない。
再び海へ。

14:21  海に着いて20分ほどした時だった。
急にサイド~サイドオンの風が吹き荒れだした。
が。
今日のサイズアップには到らなかった。

夜。
温泉に連れて行って頂き。
そして旅館の帳場で鍋を頂いた♪



たっぷり出汁が出た所で、鰆や鯛をしゃぶしゃぶ♪



守山さんは普段は豪快に笑うオープンな明るい方だが。
料理人さんだからなのか。  時折すごく繊細な感覚を見せてくださる。

守山さんの人間性の中に。  "わびさび"を感じた。
『わびさびは日本人が世界に誇るべき精神や』と守山さんは言っていた。

サーフィンとわびさび。
日本にサーフィンの文化がこれだけ根付き広がったのには。
楽しい♪  だけでなく。
日本人としての根本的な何かがある気がした。
日本海の刹那の輝き、儚い波の輝きに。

翌朝。  早朝に目が覚めた。



眠たい目を擦りながら八丁浜へ。


そこにあった波と数人のサーファーさんの姿。




海が与えてくれた恵に感謝しながら。  『いっただきま~す♪』となった。
2時間程波乗りを楽しませて頂いた。

守源旅館さんに戻る。
守山さんと、女将さんに挨拶をした。



女将さんがおにぎりを持たせて下さった。
守山さんは『とにかく気ぃつけてな!またいつでも遊びに来な!』と。



こんな時。
自分はいつも。  気の利いた挨拶が出来ない。
『ありがとうございました!』と頭を下げ。  『行って来ます!』と。

*守山さん女将さんカオリさん。本当にお世話になりました!旅を終えたら連絡します!
この三日間ありがとうございました!

*兵庫県の山の中で声をかけ、応援してくださった神戸のサーファーOさん♪



差し入れまで頂きありがとうございました!

ではまた!

 

第百四十七話  “逃がした魚 ” 10-06

八丁浜で三日間のほほ~ん♪と過ごしている間に。
歩き旅のKENGO君に抜かされた(笑)

先に進んだKENGO君から。  珍しくメールが来た。
~東浜手前の左に行く178号は通行できないので、海岸沿いの峠を越えなくてはなりません。
車は全然通りません。  上りも緩やかです。~

フムフム。  と、メールを読み。  地図を見ると。
確かに国道はバイパスになっていて自転車は通行出来なそうだ。
迂回路の海沿いの道を見ると。  何だかくねくねしている。。

普通。  こういう作りの道は。    キツイ。
直線で道が作れない程傾斜がキツイのでくねくねしている。
だが。  彼からの情報では。  坂は緩やかだと。  そう書いてある。

しばらく走ると。  問題の峠に差し掛かり。
そして。
愕然とした。

あぁ…。   ヤラレた…。

道は大蛇のように地をうねり。



ひぃひぃ言いながら。   久々にチャリを押す。

次に…会ったら…  絶対…  …靴の紐を…  靴の紐を……
固結びにして…やるぅ~…
と。
息を切らしながら心に誓った(笑)

ようやく登り切ったかと思った峠道。
しかし。
残酷な光景が目に飛び込んで来た。



×1


×10


×100    …まだだ。

それでも。
確かに交通量は少なく。  車には3~4台しか追い越されていない。
その内一台は。  サーファーさんぽかった。

さて。
今度こそ。  今度こそ峠を越したようだ。
下り坂に入ると。
すぐに鳥取県だった。



今度は急な下り坂だ。

道路の微妙な段差に気を使いながら。  坂を下る。
涼しいぃ♪

左カーブに差し掛かった時だった。  急に眼下に海が見えた♪


波も見えた♪


サーファーさんの姿も見えた♪
もう。気分は"ゆず"だ。

この長い長い下り坂を~♪  板を自転車の後ろに載せて~♪
と。

ルンルンで坂を下り海への道を下って行くと。
さっき峠道の時途中で自分を抜かして行ったサーファーさんの車が停まっていた。

あっ!  と、思い。
着替えているお二人に近付いて。
『こんにちは!!』と挨拶すると♪
『おぉ、やっと着いたか(笑)』と言って下さったのが。



姫路のいっちゃんさんとNさんだった♪
そこから話しが弾み。  パンとおにぎりを頂き。  一緒に海に入らせて頂く事にした。

東浜の右側のリーフブレイクのように規則正しいレギュラー。
誰もいない…。



そこにパドルアウトするお二人。  着いていく自分。

最初は。  ももセット腰。
が。
徐々に徐々に。  サイズが上がって来た。
セット腹。  セット胸。   これにはいっちゃんさんも驚いていた。

しかし。
お二人の絶妙な駆け引きが面白い♪
セットが入ると。
『乗らんのか?乗るんか?ほなワシが行くでぇ~』といっちゃんさん。
するとNさん。
『やなっち、騙されたらあかん。あれはフェイントや!えぇ波はこの次や!』とNさん。
そんなお二人の掛け合いが。
もう、おかしくておかしくて♪
ゲラゲラ笑いながら波乗りを続け、お腹が痛くなるくらいだった。

そうなって来ると。  波の方も茶目っ気を見せてくる。
思わぶりなセットや。  急にセットが来なくなったなぁ~。  と、ミドルサイズに乗ろうとすると。
あざ笑うかのように見事なセット。

結局。
今日一番のセットは。  いっちゃんさんと二人で仲良く。
あぁぁぁ!!
と、叫びながらドルフィン♪

その後しばらく。  逃がした魚はでかかった!  のように。
あれは肩くらいあったでぇ~!
めちゃショルダー張ってましたね…あの波。
と。
二人でドルフィンした波の話しばかり(笑)

青空と。  白い砂浜。  目の前の山々と。  貸し切りのポイントブレイク。
その中で笑顔のサーフィン。

夢のような時間だった。

お二人が休憩に入り。  一人になる。
数本乗り。
ラストはセットを待ってテイクオフ。
途中の速いセクションを抜けキレず。  波に巻かれてぐるんぐるん♪

普段ならもう一本!となる所だが。  今日はもう十分だった。

*いっちゃんさん!Nさん!楽しい時間を一緒に過ごさせて頂いてありがとうございました!
本当楽しかったです♪





さて。  移動。

夕方。
目的地が近付いた頃。  車の中の笑顔の方が。  自分を見て停車した。
『やなっち~!』と。

よっしーさんと奥様だ♪



伊勢でモトにぃとあったその時に一緒にいた方だ!
まさかの再会に驚いたが嬉しかった。

*よっしーさん!奥様!お互いにびっくりでしたね♪タイミングが合えば沖縄でお会いしましょう!

今日は。
この旅の醍醐味がぎっしり詰まったような一日。
峠を越え。  坂を下ると海が見え。  そこで出会ったサーファーさんと一緒にサーフィン。
そこには笑顔と笑い声。

ついさっき出会ったとは思えない。
そしてまさかの再会もあり。
やっぱり海で人は繋がってるんだなぁ~。  と、思うのではなく感じる日。

今日はそんな日だった。

ではまた!

 

第百四十八話  “ 秋の夜長 ” 10-07

AM4:15
なぜか目が覚めた。
普段ならもう一眠り♪     と、なるが。    今日は起きた。

10分後。
『おった!おった♪』と。    声がした。
どうやら。     自分は誰かに発見されたようだ。

いっぱいいっぱいのパソコンの様に立ち上がりの遅いこの頭。
状況を理解するのに0.8秒程時間を要した。
どこか見覚えのある顔が二つ並んでいる。

あっ♪
福井でBUMPさんと一緒に会いに来て下さった大阪のトモさんとフーミンさんご夫妻!



危ない危ない…。
もう少し夜襲が早ければ。    よだれまみれで寝ている姿をスクープされていたに違いない。

ふぅ~(笑)

どうやら。   自分の行動パターンは簡単に読めるらしい。
たまたま立ち寄った道の駅。
『もしかしたら、その辺におるんちゃうか?』
と、なり。
ちらっ♪と見たらいたらしい(笑)

さて。
お二人も波乗りをするとの事で。   ご一緒させていただく事にした。
良く考えると。    この旅は一人旅なのに。
一人でぽつ~んと波乗りするより誰かと一緒に波乗りをしている方が多い気がする♪

また自分もそれを望んでいるし。
その方が楽しい♪
それがたくさんの"いい波"との出会いになる。

少し先にあるポイントで待ち合わせとなり。
ほんのり明るくなって来た東の空を背にして走りだした。



途中。
サーフショップFAR SIDEのライダーHAYATOさんが声をかけて下さった!



『そろそろ来ると思ってたよ~♪』と。
この先にあるTというローカルさんポイントに招待して下さったが間に合いそうにない。
この先の情報やショップの場所を教えて頂いた♪

再び走り出す。   ポイントまで後少し!    の、急な坂道で。
Iっちさんが声をかけて下さった♪



*応援ありがとうございました!

朝のウォーミングアップには少々ハードな坂を越え。



びゅんびゅん下って行くと。    ポイントに着いた。
小さな湾になっているポイントだ。
しかし。
この辺りはサーフポイントの密集地帯だ。
少し走ればポイント♪    また少し走ればポイント♪

ある意味で。    優柔不断なサーファーさんには向いていないかも(笑)
これだけポイントがあったら。    どこで波乗りをさせてもらおうかと悩んでしまうだろう。

駐車場に自転車を停め、ローカルさんに挨拶をして。
先に海に入っているトモさんとフミさんのもとへ。

波はもも~セット腰くらい。
ぐわっ♪とインサイドでめくり上がる手強い波だ。
三人でキャーキャー言いながらショアブレイクでドカァーン♪と。

ふと。    奥の方のブレイクが気になり。    乗って見ると。     ---- ♪

それから途中休憩を挟みながら数時間。
腕がパンパンになり。    いよいよテイクオフもおぼつかなくなる。
が。
それでもセットが入ると腕に力が急速充電されるから不思議だ。

結局。
お昼頃まで波乗りを楽しんだ。





海から上がり。    駐車場に戻ると。    『やなっち?』と声がかかった。



HAYATOさんのお友達のTさん♪
四国・紀伊半島くらいから日記を見て下さっていたようだ。

Tポイントで波乗りをした後。    自分を探して下さり。
上がってくるまでずっと待っていて下さったようだ。
*TさんKさん!差し入れまで頂きありがとうございました!

岡山へ向かうトモさんフミさんご夫妻ともここで『また!』となった。

*トモさん!フミさん!
驚きの再会でしたがすごく嬉しかったです♪
BUMPさんによろしくお伝えください!今度は一緒に波乗りしましょう!と。

トモさん達の車が見えなくなった瞬間。
昨夜、道の駅で少し話したサーフトリップ中のKさんと再会した♪
すごく優しそうで落ち着いた雰囲気なのに。



カメラを向けると…。


さすが関西人だ(笑)

その後。
HAYATOさんに紹介して頂いたFAR SIDEさんに立ち寄った。



Nさん♪
印象的だったのは。    ホームブレイクへの愛着だった。
ステッカーとワックスを頂いた♪

*Nさん!HAYATOさん!いろいろありがとうございました!

夕方。
道の駅に到着。
早起きしたせいか。
秋の夜長。    昨晩は冷え込みもなく。    20:00頃には寝てしまっていたようだ。

早寝早起き楽しいサーフィン♪
何だかとても健康的な一日だった。

ではまた!

 

第百四十九話  “ 縁結び de 固結び♪ ” 10-08 & 09

~10月8日(金)雨~

昨晩は冷え込みは無く、快適な野宿だった。

雨の一日。
海をみても波は見えず。  こんな日はひたすら走るに限る。

米子方面へ向け出発。
9号線は交通量が多く走り辛い。
一本国道から逸れた道を選びながら進んで行く。

米子市~ゲゲゲの鬼太郎一色の境港市
大根島を経由して松江市へ。
気付けば島根県に入っていた。



今日は松江止まり。


~10月9日(土)かさくもり~

今日はちょっと寄り道をしようと思う。
どうしても行かなくてはいけない用事がある。

10月は神無月と昔の暦では印される。
が、とある場所だけは。  神在月。  と言う。
出雲の国  縁結びの神様。  出雲大社。

日本中の神様がこの時期、出雲大社に集まってくる。
だから他の土地は神様が不在となり神無月。
と、なるらしい。

浮いた話しの一つもないこの旅だ…。
となれば。
行くしかない♪  縁結びの神様♪
八百万(やおよろず)の神様が集まる出雲大社へ♪

明後日。
出雲大学駅伝が行われる宍道湖の北側を風の様に走り抜け。



何をお願いしようかとニヤニヤしながら。
神様の集まる出雲大社へ。



何だかすごい人だ。
みんな考える事は一緒か…。
参道を進んで行く。



しかし。  どこもかしこも。  工事中だ。
今は、平成の大遷都とかなんとかで。  大改装中のようらしい。

神殿に着くまで。  何を神様に頼もうかと。  ずっと思案していた。
が。
考えはまとまらず。  こんな時は考える事をやめて。  深呼吸して。
その時思った事をお願いしよう。  と、そう決めた。

そして神殿に着き。



手を合わせ。  スゥ~ハァ~と呼吸を整え。  目を閉じた。
そして。
心から出て来た言葉は。
『ここまでたくさんの人に出会わせてくれてありがとうございました!』
だった。

こんなにたくさんの人達に出会えたこの旅だ。
すでに途方も無い程の縁を結んでもらっている。
やおよろずの神様が集まる出雲大社でお礼をしたら。
一度で済むし♪
それに。
これ以上欲張ったら罰が当たりそうだし(笑)

清々しい気持ちで出雲大社を後にして、しばらくしてからだった。
なんと。
神様が。  こんな自分に。
一世一代のチャンスを与えて下さった!  ついに来たのだ。  その時が。

あっ!



あれは!!



そう。
神様が与えて下さったのは。
KENGO君の靴紐を固結びにするチャンスだった♪  (*旅日記168日目【逃がし魚】参照)

ここで会ったが百年め!
言葉巧にKENGO君をコンビニに誘い足止めさせる。
募る話しで油断させる。



そう。  この靴だ。  この靴紐だ!



PINO スイートポテト味で完全に油断した彼。

今だ!  とりゃあ♪♪



*KENGO君!くだらない事に付き合ってくれてありがとう(笑)
と、まぁ今日はこのへんで♪

ではまた!

 

第百五十話  “ サーファーデアルマエニ ” 10-10

今日は宿を探すと言っていたKENGO君と別れ。
自分は道の駅へ。

ここまで何度も再会を繰り返して来たから。  別れ際に特別な言葉はかけない。
そんな事をしたら。  もう会えなくなる気がしてしまう。

ところで。
道の駅にもいろいろある。
おぉぉ♪  と、快適な野宿が約束される道の駅と。
あぁぁ…  と、切なくなるような道の駅がある。

切なくなる理由は軒下の有無。
やはり野宿は。  いかに風雨を凌げるかにかかっている。

昨日の道の駅は。  あぁぁぁぁ…。  だった。

感覚的には。
日が沈むと風が弱まる気がするが。  昨日は日没と共に風が強まった。
空を見上げると。  星が瞬いている。
雨の心配はなさそうだ。
と、ひと安心。

も、つかの間。  ザァァ♪っと雨が。
まぁそんな日もある。



簡易テントと自転車達にテントのフライシートをかけ就寝。

朝5時起床。
重たい雲がかかっているが晴れ間もある。
しかし。  そんな事より。  昨日から吹いている北風が。
海にどんな影響をもたらしているかが一番の感心事だ♪

せっせと片付けをしていると。
一人のサーファーさんが声をかけて下さった。

年の半分はスペインで暮らし。  残りは日本で。
フランスの波はいいよ~♪と言っていた。

陸続きのヨーロッパ。
時には国境を越えてサーフィンしに行くらしい。
今はEUの統合でチェックポイントなしで国を行き来できるらしい。

そのサーファーさんが。
先に進んでポイントを探そうとしている自分に。
このすぐ近くにもポイントがあるよ♪   と、教えて下さった。

*お名前も聞けませんでしたがありがとうございました!

となれば。  行くしかない。
国道から海へ向かう。
最初に突き当たった海。  オンショアビュービューだが。  昨日の湖のような状況から一変。
波が割れている。

そこでしばらく海を眺めていると。  ローカルさんが声をかけて下さった♪
この先にあるHポイントに行くと言うので。
詳しく場所を教えて頂き。  自分も行ってみる事にした。

30分程でポイントに到着すると。  先程のローカルさんがいた。
ジャンクながら時折MAX胸近い波が割れている。



そのローカルさんも入るかどうか少し悩んでいる様子だったので。
自分も様子をみる事にした。

『とりあえずちょっと入って来るよ!』と言うので。
さらに様子を伺う事に。

セットが入ると短い周期で波が来て。  ゲットが大変そうだ。
が。
難しいコンディションの中。
これしかない!と言う波を上手に乗っている。
それを目の当たりにした自分は。  すでに着替え始めていた。
運よくセットに捕まらず。  ローカルさんの元へ。

『おじゃましま~す♪』と言うと。
『まぁ今日はこんなコンディションだけど楽しんでってね♪』と。
その言葉が妙に嬉しかった。

それからしばらく。  一緒に波乗りをさせて頂いた♪
自分が海から上がると。  ローカルさんも上がって来た。

しばらく、あれこれ話していると。
ローカルさんのお友達のローカルさんが現れた。



右が最初に声をかけて下さったTさん。
左がHard Reef Surf Boardと言うショップのオーナーシェイパーのMさん。

Hard Reef?と、思った方もいるのではないだろうか。
実はMさん。  以前、沖縄に住んでいて。
沖縄の砂辺にあるHard Reefさんにお世話になっていたらしい。

*Tさん!Mさん!ありがとうございました♪楽しかったです!

と、ここで話しは終わるかと思われた。
お二人と別れ。  国道9号線に出て。  しばらく走っていると。
反対車線に車を停めたMさんの姿が。
『時間ある?飯でも行こうよ!』と。

どうやら。  Hポイントで別れた後。  ずっと探して下さっていたようだ。
断る理由は何もなかったので。  喜んで誘いを受けた。

少し戻り。  Mさんのショップへ伺った。





そして。
ここでMさんの波乗りに対する熱い思いを聞き。



今日ここで。  こうして出会えた事は。  やはり偶然ではなかったと。
そう思った。

『サーファーで在る前に、人間であれ』
その言葉にすべてが集約されている気がした。
そしてこんな事も言っていた。
『俺が沖縄で受けた親切の恩返しだ』と。

やはり。  善意は巡り。  人と人は繋がっている。
必然と言う言葉はなんだか大き過ぎるので使わないが。
この出会いもまた。  偶然ではない。
と、そう思った。

『引き寄せたんか引き寄せられたんかはわからんがなぁ~』と。
Mさんも自分との出会いに何かを感じてくれていた。
そのMさんが。
どうしても会って行って欲しい人がいると言う。

Mさんの車に乗り込み一山越え。
長閑な山間の場所に来た。
『ここ!』と言って着いた場所は。

お寺の中にカフェがあり。




それが不思議な程に馴染んでいる場所だった。


Nさん。
この土地で。  数十年前に始めてサーフィンをした方だ。
お寺の住職さんであり。  サーファーさんであり。  カフェも営んでいる。

少し話しをして。
MさんがNさんを紹介して下さった意味がわかる気がした。
サーフィンに対する心の在り方。
その点で考え方が同じだった。
だから今。
こうして三人で楽しい時間を過ごせているんだと理解も出来た。

ここまでの旅で自分が感じそして自分なりに気付いたサーフィンに対する心の在り方。
以前にも書いたが。
~剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である~
剣道の理念はサーフィンも通じる気がする。

『サーファーで在る前に人間であれ』
その言葉に相通じる何かを感じた今日だった。

ではまた!

*Mさん!Nさん!有意義か時間を一緒に過ごせてよかったです!
いろいろありがとうございました!

 

第百五十一話  “ 後悔先に立つ? ” 10-11

昨日。
目的地の道の駅に到着する直前。   反対車線の物体に目を奪われた。

ハコブンダー!?



かと思われたが。  ちょっと違う。
しかし。  ものすごい親近感♪
話しを聞くと。
東映のバックアップを受け、【UCHI-BENKEI】と言う映画を撮りながら旅をしているらしい。

Hさん。


のぼりが素敵♪    大人たちこそ 大志を抱け!   ♪

さて。
道の駅に着き。   寝床を確保し。    一安心。
一日で一番安心する時間だ。

と、そこへ。
先日京都で再会したチャリダーのY君が。    ふらふら~っと。
迷い込んで来たので。    思わず笑ってしまった♪
そんな訳で昨夜はY君と一緒に野宿した。



朝。
少し肌寒い。
ペースが違うのでそれぞれの旅に戻る。

この後。
おかしな事が起きた。
その時はなぜだかわからなかった。

走り出してしばらくすると。     こんな光景に出会ったのだ。



ちょっとズーム♪



誰がどう見ても。   バッチリ♪    な状況だ。

しかし。
本当に自分でも理解出来なかったのだが。
そのポイントを。    どういうわけか素通りした…。
むしろ。
よっしゃ!行くぞ~♪
と。
その波を見てテンション最高潮で西に爆心した。

そこから一時間半くらい走っただろうか。
次のポイントに到着。
あれ…?
さっき見たポイントとは大分違うコンディションだ。

その時。    珍しく。    少しだけ後悔した。
なんでさっきの所に入らなかっただろう…。
と。

でも。
越えてきた峠やトンネルを思い返すと。    引き返す気にはなれない。
あぁ…。   とか。
うぅ…。    とか言いながら。
次のポイント目指しふらふらと走り出した。

そこからまたしばらく行くと。
サーフショップさん発見♪
ドアをノックし『こんにちは~』としてみるも。     …。
と、思って外に出ると。    ブーン♪と一台の車が。

Surfer's GardenのTさん。


挨拶をすると。   『もう海入ったの?』と。
『まだです…』と言うと。    ポイントまでの道を教えて下さった。

自転車で2分くらいだった♪



*Tさんご親切にありがとうございました!!

ポイントの駐車場でローカルさんが声をかけて下さり。
ポイントについて教えて頂いた。

邪魔にならない所に自転車を移動していると。
今まさに海に向かおうとしている。    何やら雰囲気のあるサーファーさんと目が合った。
笑顔で会釈すると。    そのサーファーさんも笑顔で返してくれた。
どこか懐かしい雰囲気。

はて? 

そして。    今度はそのサーファーさんが。    あれ?っという表情で。
『伊良湖にも寄った?』と唐突に
『はい!伊良湖にもおじゃましました!』と言うと。
『あっ自分、Bali highです♪』
『えぇぇ!?』
と。
それはそれは驚いた。

でも。
その笑顔の雰囲気が自分がお会いしたBali highさん達と同じだったので。
なんだか始めてお会いした気がしなかった。



YOSHIKAZUさん♪
奥様のご実家がここ島根県で。
連休を利用しての帰省の帰りにちょっと波乗り♪
そんなタイミングだった。

慌て着替えYOSHIKAZUさんの後を追いかけ海へ。
一緒に波乗りをさせてもらう事にした。

YOSHIKAZUさんのボードを見ると。  Hobieさんのロングボードだったので。
もしかして♪   と、思い。
『湘南の(Hobie Surf Boardさんの)Mさんわかりますか?』
と聞いてみると。
『あぁメローな雰囲気のね♪湘南の方に行ったらお店に寄らしてもらってるよ♪』と。

この旅を通じて友達になったR君が連れて行ってくれ、ステッカーをプレゼントしてくれた♪
そのお店がHobieさんで。
Hobieに立ち寄らせて頂いた時にお会いしお世話になったのがMさんだった。

これはR君が繋げてくれた出会いだ♪    と、そう思った。
そして。
海から上がり。    YOSHIKAZUさんと奥様から差し入れを頂き。
名残惜しい気持ちを残しつつ出発した。

*YOSHIKAZUさん!奥様!お会い出来て嬉しかったです!Bali highのMさんKさん始め皆さんによろしくお伝えください!
そして。
*ポイントにいらした、たくさんのローカルさん!声をかけて頂いたり、応援して下さってありがとうございました!

再び西へ向け走り出した。

今朝。    あの波を乗り逃した少しの後悔はもうどこにもない。
あの時。
あの波を見ながらも先に進んだ意味がわかった気がした。
一分でも狂えば。     今日の出会いはなかった。

そう思うと。
今日は。    不思議なタイミングに支配された一日だった。

ではまた!

 

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