第九十五話  Great Surf jorney Day-18 
“ 最北端を越えて ” 08-08

今朝は珍しく早起き。
なぜか。

礼文島発の始発のフェリーに乗るからだ。

昨晩の。  予報外れの雨でテントの撤収に手間取った。
が、なんとか間に合い香深のフェリーターミナルへ。。

チケットを購入し出向を待つ。  思えば利尻島に7日間礼文島に3日間。
ずいぶん長居をしたものだ。
とは言え。  充実の濃ぃ~い毎日が続いたのでもっと長くいたような気もする。

最高の天気に恵まれて、利尻富士を眺めながら稚内へ。



今頃、TOSHIYAさんとKOUJIさんは山の上かな~?などと考えながら離れて行く利尻富士を眺めていた。

お昼前に到着。  熱い…。  何だか稚内は熱い。
こんな事を言っては沖縄で頑張っているシーナサーフのコガちゃんやオッキーに恨まれそうだが…

只今の気温は23°である♪
利尻島や礼文島では、長ズボンにTシャツ+長袖を着て寝袋にスッポリ収まり快眠だった。
利尻岳の山小屋では長袖二枚にレインコートを着て寝た。
それでもちょっと寒かった。

日本って以外と長いし広い…。

さて。  今日はちょっと一踏ん張りしなければならない。
理由はこうだ。
通常。  今日は頑張ったなぁ!!  と、自分を褒めてあげるラインが70㌔。

そして。
今日お昼前に到着した稚内からルート上にある最寄のキャンプ場まで約60㌔…。
半日でそれなりの距離を走らなければならない訳だ。
この猛暑?の中、10日振りのフルスペック走行。

汗がダラダラ流れてくる。
それでも読めない距離と時間が休む事を許さない。
何にもない海沿いの一本道でSunsetを眺めるのだけは御免な訳だ。

ふと思い出した。  『あっ!あれ使おっと♪』と。
利尻島を離れる時。  TOSHIYAさんがプレゼントしてくれたあれだ。
利尻岳に登った時も大活躍した【Platypus】。



これをリュックにセットした。  これがあれば走りながら水分補給が出来る♪

まずはフェリーターミナルから約30㌔先の宗谷岬を目指した。
汗をダラダラ流しながらも平坦な道のお陰で案外進む♪





ちょっとオフショア(向かい風)が強くなって来た。
風の音で自分的には凄いスピードで走っている感じだが。  実際はかなりのろのろ運転だ。
いたずらに体力を奪われる。

宗谷岬まで後数㌔と迫った時だった。  反対車線を走って来たバイクが。  すれ違った直後に。
クルッと踵を返し自分の所へ来た。
ん?   
『宗谷岬寄る?』とそのバイカーさん。  『はい。寄りますけど…?』と自分。
何が何だかわからない。
が。

次の一言ですぐにわかった。  『種子島で!!』  『あぁぁぁ!!』
種子島から鹿児島行きのフェリーが一緒になったバイカーさんだった!



これには本当に驚いた。  
鹿児島から宗谷岬まで(多分)直前距離で2300㌔。  そして3ヶ月目の再会だった。
『じゃあ宗谷岬で待ってるから!』と栃木のTさん。
さっきまでの疲れもいざ知らず。  全速力で宗谷岬まで走り抜いた。

宗谷岬で改めて再会を喜び会う。  旅で出会った人に旅の途中で再会出来る事。
これは想像以上に嬉しい出来事だ。
まるで運命の人に出会ったかのような気分になる。
チャリやハコブンダー(リアカー)をまじまじと見つめながら。  『よく頑張ったなぁ~と。』とTさん。
確かに、Tさんに会った頃はまだ出発したばかりで。
ピカピカだった相棒達。  本当によく頑張ってくれた。

しかし、流石は宗谷岬。  そこら中にチャリダーやらバイカーさんが溢れている。
皆、ここを目指して来たのだ。
北緯45度31分22秒  東経141度56分11秒   日本の最北端。  宗谷岬を。

だがしかし。  自分にとっては単なる通過点なのだ。
あくまでも前半のゴールは利尻島であり、あの波だった。

つまり。  既に自分の気持ちは折り返し地点を過ぎ。  次の目標を見据えている。

沖縄だ。

出発した時は利尻島が遥か彼方に思えた。
が。
辿り着けた。
一日一日。  一歩一歩。  例え毎日の歩みは小さくても。  諦めずに。  前にさえ進めば。
必ずゴールは見えてくる。

そして。  辿り着く。

そんな単純で当たり前の事を。  今、改めて思うのである。  『ヤレバデキル!』と。
ヤラナケレバいつまでたってもデキナイのだ。
デキナイリユウを挙げればきりがない。
デキルリユウが一つあれば十分だ。

利尻島のマルゼンのMANAMIさんが。  そのブログからエールをくれた。

~やなっちくんにあたしからこの言葉を贈ろう!
大切なのことは  出発することだった。  星野 道夫『大いなる旅路』より~
と。

一歩踏み出すことの大切さ。
そして。  スタートさえすれば。  歩みを止めなければ。  ゴールは自ら近づいてくるのだ。

…ちょっと格好付けすぎた…。なんだかんだといいながらも。
しっかり通過儀礼をはたしている自分(笑)



まぁ記念です記念♪

さて。  栃木のTさんとまたの再会を誓い。  それぞれの旅に戻った。



夕方。  何とか目的地にたどりついた。
そしてまた。  ゴールは少し近づいた。

~宗谷郡猿払村より~

 

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