第七十六話 “ ここは沖縄? ” 07-16

昨日の夜は野宿場所を求めて二人で町をさ迷うも。
小雨交じりの岩手の夜は寒い。

結局宿をとった。
夜二人でコインランドリーに行ったり、食事をしたり。   くだらない話しが尽きなかった。
一人でいる時はなんだかんだ、気を張っている事に気付く。

さて。  朝一緒に出発。


今日は道のりは一緒でも目的地が違う。  自分は途中のN板Pに寄るからだ。
どんな場所だろうか。  波はあるだろうか。  雰囲気は。  そこに集うローカルさんは。
興味が尽きない。

こんな日は峠道も。  トンネルも。  大した苦にはならない。
さらに。  雲も取れ晴れ間も出て来た。
そしてたどり着いたN板P。
青い空。  白い砂浜。  クリアな海。



ここは沖縄?  思わずそう思った。
ただ…波は…。



それでもこの綺麗な海にテンションはかなり高くなった。

海岸に向かう坂道を下る。
と、そこには。  かぶとむしのYUーMIさんから聞いていたKーSURFさんがあった♪
あっ!来た来た♪といった感じで杉本プロの奥様が出迎えて下さった。

そういえば。  昨日。  ルンルン気分で地下足袋を履いていたら。
島ぞうりをどこかに落としてしまったようで…。
KーSURFさんでビーサンを購入しようとすると!

島ぞうりが!!



岩手から石垣島に移住したお知り合いが送って下さったそうだ♪
さすがにこれは非売品。

残念…。
ともあれビーサンを購入。
すると。  奥様が。   KーSURFさんオリジナルステッカーをプレゼントして下さった♪





ところで。  岩手のサーファーさんは。  他の場所と比べても、特別アットホームだ。
すぐにこの雰囲気に包まれリラックス。  ちょっと海まで行ってみる。
海まで50メートル。  青空の下。  綺麗な海の目の前で。  のんびりと過ごす時間。



贅沢だ♪

さて。  波の方はすねくらい。  どうしようかと迷いに迷う。
も。
この綺麗な海を目の前にしたら、まぁ波に乗れなくてもいっか♪  という気持ちになり。  ザブン♪
やっぱり綺麗な海は気持ちいい。
下の白い砂がゆらゆらと。  覚悟していた水の冷たさも。  思ったほどでもなく。
たまにくる膝下位のセットにテイクオフ!せずに、そのままボディーボードのように腹ばいで波に乗る。
それでもすごく気持ちよかった。

一本だけ。  ひざ位のセットが!  テイクオフし、少し乗れた。
もうそれで満足だった。
海から上がるとまたおしゃべり♪  真冬の波乗り事情も聞けた。
『雪の日はまだいい方♪みぞれが1番キツイ!(笑)だって痛いだもん♪』

…想像できません。

あれこれ話していたら。  夕方になってしまった。  なんだか靄もかかって来た。



この辺りでは。  この靄を【やませ】と言うらしい。  真夏でも【やませ】が出ると涼しいらしい。

名残惜しいがKーSURFさんを後にして出発した。



KーSURFの皆さん!楽しい時間をありがとうございました!

さて今日の野宿ポイントの道の駅に向かっていると。
見慣れた人の姿が。

KENGO君だ。

自分が海で遊んでいる間に追い抜かれていたようだ。  うさぎとかめ   みたいだ(笑)

それにしても。  彼の目的地・いつものペースからすれば今ここにいるのはちょっとおかしい。
歩き方もぎこちない。
『どうした?大丈夫?』と聞くと。  『反対の足まで痛くなっちゃいました…』と。
とりあえず数㌔先の道の駅で待ち合わせ。
しばらくすると足を引きずりながらやって来た。
とりあえず休ませる。
もともと痛めていた右足をかばい過ぎて左足までおかしくなってしまったようだ。
それでもまだ。
この先の自分で決めた今日の目的地まで行こうとしている。

ん…。  これは無理し過ぎだな…。  まだまだ続く長い道のりに気が焦り過ぎ。
毎日の目標をクリアーしないと落ち着か無いのだろう。
気持ちはわかる。  自分も前半はそうだった。  でもそれでは絶対に体が持たない。
なんとか。  せめて今日だけでも。  無理をさせない方法はないかと考えていると。
good timingで♪
ピカッ!  ゴロゴロ~っと。  雷様登場。
やっぱり彼に体を休めなさいと。  お天道様もそう思っていたようだ。

かくして。  今日も一緒に野宿する事になった。

二年前の旅。  宮崎で一緒になったOKAさんが自分にくれたメッセージ。
『くつろげる人になり、楽しい人生を。』
焦りで心の余裕がなくなると。  無理をしてしまうのが人間だ。
そうなると。  大抵ろくな結果にはならない。
自分が彼に伝えたい事。  自分が出会った旅人から教えられた事。

もっと旅を楽しんで!  ただそれだけだ。

先はまだまだ長い。  その中で楽しむ余裕。
その余裕がなければきっといつかバテてしまう。
そんな彼に自分ができる事。
それは。
旅の楽しさを伝える事。  そんな気がしてきた。
そしてこれもまたきっと。
恩返しかと。  そう思った。

*お名前聞きそびれてしまいましたが、差し入れありがとうございました!




ゴーヤ♪
今日はなぜか沖縄を感じる日だった!

ではまた!