第百参十三話  “ Dont think. Feel it! ” 09-20

毎度ながら。
日記は朝起きた所から始まる。

シトシト。   雨だ………♪
普段は嫌いな雨も。  今日は嬉しい。
なぜか。

こんな経験はないだろうか?
新しい竹刀を手に入れた翌日。
いつもは行きたくない道場へ早く行きたくなるのと同じで♪
???
ないない…。  そんな経験あまりない。

では改めて。
新しい運動靴を買ってもらった次の日の朝。
その靴を履いて学校へ行くのが楽しみで、なぜか早起きしてしまう子供のように。
昨日、この先を考え購入した高級レインコートを着れる事が嬉しくて♪
いつもは嫌な雨がなんだか嬉しい今日の朝。
さっそく袖を通して雨の中を走り出す。

おぉ♪  弾く弾く!
しばらくしてもまったく浸みて来ない。  しかも蒸れないから快適快適♪
これなら雨も辛くない。

ルンルンで走りっていると。  雨が止んでしまった…。

名残惜しいが、レインコートをしまって再出発。
しばらく行くと。
こんな看板が目に飛び込んだ。



『この先天下の険』と。

ついに来たかぁ。
とは噂に聞いていた『親不知』という場所だ。
北海道で出会った日本海周りのチャリダーさんから聞いていた。
親不知…あそこは…と。  皆、遠くを見るような目で何かに脅えているようだった。

徐々に近づいてくる山々。



いよいよだ。
まずは挨拶がわりの登り坂。



そして。  こっこれは!!



つづら折りの坂道。
あれ?  以外とたいしたことないなぁ?

ちなみに。  ここまでで。  きつかった道ベスト3だが。
まずは。

第三位  三重 熊野~尾鷲の海沿ルート
第二位  岩手 国道45号線

えっ?岩手が二位?  と、思われる方もいるだろう。
散々。  岩手岩手、45号45号と言ってきた。
しかし。
一番きつかったのは。  意外な場所だ。

第一位  千葉 鴨川のKOOOさんの家の前の坂道♪

あれは本当に有り得なかった。
自転車を下りて押しても最後まで登れなかった…。
でも、その分KOOOさんの家からの景色は最高だった♪

そんなこんなで。  登り坂的には辛くない。
が。
すぐに。  チャリダーさん達が脅えていた理由がわかった。

覆道。

断崖絶壁沿いにある道に。  万が一の崖崩れの時に。
被害を少なくするため?の防護トンネルだ。

北海道でもたくさんあったが。  ここは他とはちょっと訳が違う。

登り坂に。


急カーブに。


狭い路肩。


この親不知の難所を抜けるまでは。  生きた心地がしなかった。

背後から近付く大型車を音で感じる。
最近では。  その音で。  乗用車か大型車は基より。
それが  ダンプなのか。  バスなのか。  大型トラックなのか。  牽引トラックなのか。
振り向かなくてもわかるようになった。
付く音に驚き振り返ると、フラフラっとバランスを崩しそうになる。

だから感じるのだ。

そして迫り来るエンジン音と排気音などで。
そのドライバーがどんな追い越しをしてくるかさえわかるようになった。

危険な運転の大型車が近付いて来た時は。
ふぅ。
と、息を吐き。  心を構えるのだ。

ここで間違っても身構えてはいけない。
迫り来る大型車に脅えてガチガチに力が入ると。
抜き去られ時の爆風に対応出来ない。

大型車が横を通り抜ける瞬間。  まずは外に吹き飛ばされそうになる。
ここで力んで弾き飛ばされまいと反対側に重心を掛け過ぎれば。
通過後に内側に吸い込まれるような風に巻き込まれてしまう。
さらに。
抜かれる時の路肩の段差にも要注意だ。

ちょっとハンドルを取られれば…。  まぁ少し大袈裟かも知れないが。
それなりの覚悟を決めて行かなければ、こういう難所は切り抜けられない。

もし、これからチャリダーに挑戦!
と、思っている方は良く覚えておいて欲しい事がある。

Dont think. Feel it!   と。

ではまた!
あっ♪



新潟から富山に入りました!

ではでは!