実は。 昨日。 少しやばかった。 |
さて。 今日は失うものもあれば手に入るものもある。 そんな話しだ。 今朝、無料のライダーハウスを出て。 いつもと変わらずタラタラと自転車を漕いで西へ向かう。 途中、いくつかサーフポイントらしき場所を見つけながらも、うねりが弱すぎてよくわからない。 ちょっと走れば河口があり、うねりが入ったらどうなっちゃうの♪ みたいに一人妄想しながら海沿いを流して行く。 この時はまだある事に気付いていない。 さらに進み。 久しぶりにコインランドリーを発見♪ 数日分の洗濯物がリフレッシュされる事をまだかまだかとずっと待っているのだ。 その期待に応えるように発見したコインランドリーに向け舵をきる。 洗濯物達はそりゃもうおおはしゃぎだ♪ と、自分はそう思っていた。 よーし!みんなコインランドリーについたぞー♪ と、声をかけるも反応がない。 ん?そうか。 あまりにも放置し過ぎて機嫌が悪くなっているんだな♪ しゃあないなぁ。 手間のかかる子達だ。 わかったわかった。 今日は特別に柔軟剤も入れてあげるから出ておいで~! と、言っても反応が全くない。 焦り出す自分。 まさか…みんな耐え切れずに家出!? 慌てて洗濯物達が隠れていそうな場所を捜索するも。 彼等の姿はどこにもなかった。 愕然とする自分。 記憶をたどって見る。 洗濯物はいつも一つの袋に入れハコブンダーに載せておく。 そういえば…昨日のライダーハウスに着いた時…すでになかったかも…。 となると、彼等がいなくなったのは一昨日? いや。 昨日の朝は見た。 はず…。 どこで彼等と生き別れたかもわからない。 最後に彼等を見た場所まで引き返すとなると100㌔近く戻る事になる。 す…すまん…。 許しておくれ。 見つかる保障などない往復200㌔の距離はあまりにも長かった。 さよなら目録 NORTH FACEのアウター1枚 Quicksilverのインナー1枚 REEFのラッシュ1枚 バスタオル 1枚 利尻富士温泉ロゴ入りフェイスタオル 1枚 Tシャツ 1枚 寒い夜に履く用長ズボン 1着 そして…。 利尻岳登頂記念にマルゼンさんで購入した、利尻岳が大好きな人しか買えない 【利尻岳が大好きですTシャツ♪】 1枚 のスタメンレギュラー組を一気に失った。 *相当凹んだ為、文章表現が若干おかしくなっている事をお詫びします。 がっくり肩を落とし、彼等が大好きだった思い出いっぱいのコインランドリーを後にする。 そういえば、洗濯物達はグルングルン回ってホッカホカになって出て来た時は嬉しそうな顔をしてたっけ。 などと思い出すのは彼等との思い出ばかり。 今にも止まりそうなスピードでふらふらと道を進む。 道の駅を見つけ。 特別な用はなかったが立ち寄ってみる。 すると♪ 朝会ったチャリダー二人と再会♪ 彼等を失った寂しさを紛らわす為に神様が与えてくれた出会いだ。 すぐに打ち解け。 三人で105円づつだし箱入り10本入りアイスを購入♪ ジャンケンの結果ポップコーン太郎君が4本のアイスをゲット。 自分とG君は3本づつ。 一気に2本のアイスを開け、二刀流の武蔵気分でアイスを頂く♪ くだらないが楽しい(笑) 彼等を失った悲しみからやけ酒ならぬ、やけアイス。 一気に頬張りキーン!とするあの感覚が辛さを忘れさせてくれる。 失ったものは戻らない。 が、 その分手に入れる事が出来ることもある。 彼等を失ったパニックによるタイムラグが出会いをくれた。 今日はポップコーン太郎君とG君と、同じライダーハウスに泊まる事にした。 ちょうど。 イチローさんのBBQでお会いしたお坊さんのNさんが話してくれた話しを思い出した。 あなたは両手に一つづつ大切な石を持っています。 その足元にダイヤモンドが転がっています。 さて。 どうしますか? と言う話しだ。 もちろん答えは。 どちらか一つの大切な石を捨てなければダイヤモンドは手に入らない。 つまり。 何かを手に入れる為には大事なものを失うこともあると言う事だ。 何から何まで手に入れようとすれば。 必ず抱えた腕から知らず知らずの内に何か大事なものを失うのだ。 また。 何か大切なものを失ったから手に入る大事なものもある。 自分の両手にはどんな石があり、それと引き替えに何を手にするのか。 両手にある大切な石と手に入れたいものを天秤にかけるのだ。 迷いや何かを失うのが怖い時は。 天秤は行ったり来たりするだけで答えはでない。 それを手に入れたい気持ちが確かなものでゆるぎないものならば。 天秤は確実に手に入れたいもののほうに傾くのだ。 そしたら喜んで期待に胸を膨らまし。 手にある石を捨てそこにあるその石を拾えばいい。 自分は安定を捨て自由を拾った。 そしたらその石は何かの原石だった。 磨けば磨くほど光輝き。 様々な人との出会いと生きている実感、知らなかった自分の強さや弱さも付いてきた。 手に入れたいなら何かを捨てる勇気も必要だ。 と言う今日はそんなお話しでした♪ ではまた! |
昨日はスモッティーさんのお店に自転車を止めさせていただき、豪華なホテルに宿泊させて頂いた。 朝、スモッティーさんがホテルまで迎えに来て下さり自転車を止めているお店へ向かう。 スモッティーさんも海へ行くと言うので『じゃあ海で!』と言って自転車を漕ぎはじめる。 苫小牧から浜厚真まで片道27㌔の道のりだ。 目標を2時間に設定しキコキコ走る♪ myu2さんに会うのは北海道に上陸した日の一ヶ月以上前の事だ。 再会が楽しみで足取りも軽く予定より早く到着♪ 昨日よりさらに賑わっている浜厚真。 車がたくさんあってキョロキョロと探していると。 遠くでmyu2さんとHさんが手を振ってくれている! あぁ!いた!と、子犬のように駆け寄るも。 深めの砂にはまって失速した…。 ともあれ再会出来た♪ 周りのたくさんのサーファーさんがこちらを見ているので目が合った方にはとにかく挨拶。 おじゃまします!と。 myu2さんのお友達をたくさん紹介していただき、REALDRIVEの店長さんにも再会出来た♪ なんだかお祭りみたい♪ 北海道のサーファーさんはとにかくフレンドリーだ♪ しばらくワイワイガヤガヤし、スモッティーさんを探しに奥の方へ行ってみる。 あれ?車が見当たらない。 タダクマさんが来ていたので聞いてみると。 一度来て帰ったそうだ。 今日、友達やREALDRIVEさん達とも浜厚真で会うんです! と、話していたので。 あっ。 スモッティーさん気を使って…。 と、自分にはすぐにわかった。 myu2さん達の所に戻ると、みんな海に行ったようだ。 すぐに準備をして自分も海へ向かう。 サイズは昨日よりさらにさがりセットでひざ。 でも、そんな事は関係ない♪ そこには笑顔で波乗りを楽しむサーファーさんがたくさんいるのだから。 海に入ると周りはさっきビーチでお会いしたサーファーさんばかり♪ みんな冗談をいい合ったりひざのセットが入ると大騒ぎ♪ この雰囲気、最高!! 中でも小学2年生の女の子がロングライドを決めた時などは。 拍手喝采の嵐だった♪ 自分も一本波を分けてもらい波に乗せさせてもらった。 みんながひゅー!ひゅー!と囃し立てる(笑) そこには波の取り合いで苛立つサーファーさんもいなければ、セットを総取りしてしまうロングボーダーさんの姿もなく。 楽しむ事。 短い夏を思う存分満喫している。 そんなサーファーさんばかりだった。 ちゃんと乗ったのは一本だが、それで十分満足だった。 それよりこの輪に加わり一緒に楽しめている事が嬉しかった。 海上がりに。 久々に。 やってしまった♪ 『サーフィン!!』 『最高☆!!』 *皆さん楽しい時間をありがとうございました! またいつかどこかで、一緒に波乗りしましょうね♪ myu2さん達とも『また!』と、それぞれがポイントを後にする。 何度も言うが。 別れを悲しむのではなく。 再会を楽しみに。 出会えたことに感謝するのだ。 それが一期一会だと。 自分は思う。 相変わらず深い砂地にハンドルを取られながら浜厚真を後にした。 苫小牧へ向かう途中。 旭川のKONA SURFさん達にお会いし応援して頂いた♪ そして夕方。 ウィンドのNさんに話しを聞いていた苫小牧のサーフショップ BRAYZさんに立ちよった♪ *ステッカーありがとうございました! この二日間。 浜厚真に集まるたくさんのサーファーに応援していただき。 そのフレンドリーな雰囲気に改めて楽しむ事の大切さを確認出来た。 サーフポイントは必ずしもいい波が立つのがいいポイントではない。 いいコンディションの時がいい波とも限らない。 オンショアのひざ波でも。 始めてスープに押されフラフラしながら乗った波は最高だったはず。 そういう気持ちを忘れずに、持ち続けながらサーフィンを続けていくことが。 自分にとって。 サーフィンの永遠のテーマだ。 ではまた! |
29日朝。 |
今日は暑かった。 予定より早く目的地に着いたので。 早めにライダーハウスにお世話になり。 体を休める事にした。 昨晩は雷とスコールのような雨。 気温も下がらず蒸し暑い夜。 北海道なのにまるで熱帯の国のようだ。 あまり寝れず。 明け方から走り始めた。 今日は静狩峠を越えて長万部へ向かう。 6時前だと言うのにかなり蒸し暑い。 北海道でこの様子だと。 本州や四国、九州そして沖縄は…。 考えただけでぞっとする。 沖縄に接近中の台風も気になる。 みんな大丈夫だろうか。 朝から汗をたらしながら。 交通量の少ない国道を進んで行く。 最初の道の駅に休憩がてらによってみると。 大学生だろうか。 三人のチャリダーがいた。 鹿児島から日本縦断の旅の途中で一昨日函館に着いたようだ。 ゴールは稚内の宗谷岬。 そっかぁ。 今から北海道を走るんだぁ。 と、思い。 北海道二日目に会った徳島の日本一周バイカーさんがくれた、北海道旅の最強ツール。 0円MAPを彼等に譲った。 *格安のキャンプ場やライダーハウス、温泉等の情報がたくさん載っている。 ゴールを間近にした彼等。 リアカーゴミ拾いの剛さんも。 その長い旅路の先にゴールが見えている。 今、どんな気持ちなんだろうか。 早くゴールに着く事だけを望んでいるのか。 それとも。 旅が終わってしまう事に淋しさを覚えるのだろうか。 そんな事を思うのも。 今日が今日だからなのかもしれない。 8月31日 夏休み最後の日だ。 夏の自由を謳歌し過ぎて。 子供ながらに現実の厳しさを思い知らされる日である。 夏休みと言えば。 とにかく遊んだ。 近所の友達がいれば缶蹴りにドッジボール。 ごみ箱の蓋を盾にして水風船を投げあい戦闘ゴッコ♪ 結局、最終的にはマシンガンに匹敵するホースからの放水攻撃で幕を閉じる事になるのはいつものパターンだ。 一人で裏山にクワガタを探しに行き。 すずめ蜂に追いかけられ、信じられないようなスピードでダッシュしたり。 特別どこに行かなくても。 家の回りが最高の遊び場だったのは小学生の頃だ。 中学生になると。 さすがに家の回りで缶蹴りとかでは遊ばなかったが。 クーラーの効いた部屋でテレビゲームをした記憶は全くない。 部活動に勤しみ。 それ以外の日は。 当日、大流行したマウンテンバイクにまたがり。 (多分)20~30㌔離れた山奥の川に遊びに行くのがただただ楽しかった。 川で魚を捕まえたり。 岩の上から飛び込んだり。 ドキドキしながら誰かが持ってきたライターでたき火をしたりして。 西側に山があるその川は。 日が暮れるのも早く。 薄暗くなってきた時に聞こえてくる蜩の鳴き声が、思い出の風景と共に耳に残っている。 帰りはみんな泳ぎ疲れて、無言のまま列をなして家路に着くのだ。 決まって帰りによっていた中川商店のおばちゃんは。 多分自分達が二つも街を越えて川に遊びに来ているとは知らなかっただろう。 大人になってからその川を見に行った時。 手付かずだった河原が綺麗?に整備され、あの時の風景を僅かに感じられるだけ単なる川になってしまっていた。 今の子供は外で遊ばない!とか言うが。 その遊び場を奪ってしまったのは大人であり今の自分達なのかもしれない。 誰が言い出したかは記憶がないが、仲良し5人組で泊まりがけのサイクリングに行った事があった。 地元の神奈川から、箱根の峠を越え、伊豆の修善寺まで。 必死で箱根を越え始めて自分達の力だけで隣の県に行ったのだ。 その当時の自分達にとっては隣の県は海外に匹敵する場所だった。 去年だっただろうか。 当時の写真を見て大笑いしたりした。 その写真にはあどけない顔の仲間がいて、その笑顔は今も昔と変わらなかった。 大冒険の中で苦楽を共にした仲間との思い出は今でも色褪せる事はない。 その大冒険の記憶が今のこの旅に大きな影響を与えているのは言うまでもない。 何だか、今日は思い出話しばかりになった。 襟裳のイチローさんが言った一言を思い出す。 『この旅を今後どうやってFeedbackするか。それが大事だね。』と。 この旅の記憶は。 10年後20年後30年後に。 どんな思い出として自分の中に残っているのだろうか。 あの時の旅があったから今の自分がある。 と、そう言っている自分がそこにいると信じて。 なぜか苦い思い出の多い夏休み最終日の日記を書き終える事とします(笑) ではまた! |
道の駅での野宿が一緒だった番組ディレクターのSさんに。 朝、コンビニでいろいろ買ってもらってしまった。 Sさん曰く。 『君は得な性格をしてるよな(笑)』と。 はてはて? *Sさん。ごちそうさまでした。それから楽しい話しをありがとうございました! さて。 いつものように走り出す。 今日はどこまで行くか決めていない。 出発直前まであれこれ考えたが。 結局。 『ん~。行き当たりバッチリで♪』と、走り出した。 相変わらず今日も熱い。 しばらく走り。 大好きなセイコーマートを発見♪ 特に用はないがちょっと一休み。 すると。 一人のチャリダーさんが。 『あぁ!あなたのこと途中で聞きましたよ!リアカー引っ張ってる人がいるって!』と。 愛知のM下さん。 どうやら広尾のキャンプ場が一緒だったM本さんから青森で聞いたらしい。 ちょっとびっくりしたが、M下さんとの出会いを作ってくれたM本さんに感謝だ。 さて、またしばらく走ると。 函館のローカルさんが声をかけて下さった。 Bar BAMBOOのKさんと。 函館のライダーハウスのオーナーさんだった。 椴法華Pの情報を聞くと。 残念ながら今日はNO SURFコンディションらしい。 この先にあるポイントや函館のポイントを教えてもらったり。 函館についたら遊びにおいでね!と、言って下さった。 *差し入れまでいただきありがとうございました! さて。 もっと遠いと思っていた椴法華Pにあっさり到着。 すると。 一人のサーファーさんの姿が♪ Jさんだ。 僅かな期待を胸に海に入ったが残念ながら波が割れ辛く、干潮のピークも過ぎてしまったので上がってきたところだった。 *Jさん。いろいろ情報ありがとうございました! Jさんが帰った後。 ビーチに遊びに行ってみた。 景色も綺麗で後は波があれば最高だが、せめて雰囲気だけでも味わおうと。 流木サーフィン? 結構ノリノリで♪ セルフタイマーで(笑) ご覧ください! 華麗なる流木サーフィンを♪ お粗末様でした(笑) と、今日ものんきな日として終わるはずだった14時58分に。 トラブル発生!! 椴法華のビーチを後にした直後だった。 ぷしゅぅ♪ ぴゅぅ~♪ シュルシュルシュルぅ~♪ と、聞き慣れない音が足元から。 ん? あっ… パンクか…。 と、空気の抜ける音だと気付き。 ついに自転車がパンクしたかと。 意外と冷静にパンク修理の段取りを考えながら自転車を降りる。 しかしまぁ。 今まで5000㌔以上の道のりで自転車は初のパンク。 ここまでパンクしなかった事が奇跡に近い。 今まで良く頑張ってくれたよなぁ~。 とか思いながら。 タイヤを見てみると。 事態はパンクより深刻だった…。 ホイールの一部が折れ?てしまい…。 タイヤに突き刺さったようで…。 こうなると。 ホイールを交換しない事にはチューブをどうこうしても、どうにもならない。 一瞬唖然とする自分。 回りにはたまに民家があるくらい。 自転車屋さんは函館市内に行かなければ修理は不可能だ。 でも唖然としたのは本当に一瞬だった。 その一瞬で、助けを呼ぼうか?とか函館までヒッチハイク?とか考えたりしたが。 どれも自分の中でベストの答えではなかった。 『歩くかぁ♪』 それが結論だった。 ひとまず。 今日の寝床はあと10㌔以内。 これから峠道だが。 2~3時間あればたどり着く。 そして明日は自転車屋さんを目指して函館まで40㌔位歩く。 ただそれだけの事だ。 だって自分には動かせる足があるんだし。 歩いて旅してる友達だっている。 もともと。 気持ちの切り替えは早い方だったが、旅に出てから更に早くなった気がする(笑) それから。 もうひとつ。 旅で学んだ事がある。 いつか自分に起きるであろういい事は。 悪い事の延長線上にあるってことを。 すべてが繋がってる。 そして、一見ついてない出来事でも。 角度を変えてみてみたら。 例えば。 今日もし波があったとしたら。 多分。 寝所まで10㌔の道のりを一時間と計算し。 椴法華でぎりぎりまで波乗りを楽しんでいただろう。 そして、トラブル発生。 暗闇の中、峠道を自転車を押しながら歩くはめになっていただろう。 そして。 きっとこのトラブルも。 次に起きる何か素晴らしい事の、きっかけと考えてみると。 最悪の事態も。 たいした事ではなくなるのだ。 さぁ! 明日は40㌔先の函館まで歩けるかなぁ♪ と、そんなチャレンジ精神がメラメラと沸き上がって来たりする(笑) なんだか明日が楽しみになってきた♪ とりあえず今日は早く寝て。 明日は朝一に出発します! ではまた! |
朝5時。 |
金曜日の夜。 函館のライダーハウス:ウィロビーさんにふらふらしながら転がり込む。 オーナーのH・Tさんは、最初は寡黙な人かと思ったが。 サーフィンに対する情熱を静かに、しかし誰よりも熱く燃やしている人だった。 その日の夜。 登山好きのおじさん一人と。 波乗り好き二人。 いろいろ話した。 波乗りと登山。 一見話しが噛み合わないように思えるが。 自然に対する感謝の気持ちと畏敬の念。 そこには共通点がたくさんあり、フィールドは違えど同じ感覚を共有している事がわかった。 いや。 フィールドは同じだ。 地球と言う星の自然がフィールドなのだから。 三人の熱い話しは涼しいはずの北海道の夜さえ熱くした。 翌朝。 さぁ。 今日は自転車の修理をせねば。 街にある自転車屋さんを尋ね回る。 『すいません!直りますか?』 『…いやぁ部品がないね…』 『うちの店ではちょっと…』 と、立て続けに断られた。 断る自転車屋さんの表情を見ると。 少し焦り始めてきた。 あれ?もしかしたら、この故障はちょっと厄介な状況なのかも… 直らなかったらどうしよう…。 と、弱気になりながら次の自転車屋さんへ。 街の自転車屋さんは。 年々その数を減らしている。 大型の量販店やインターネットの影響だろう。 正直、どこのお店も活気がなく、主人の目には力がない。 次のお店にたどり着くと。 タイヤのパンク修理を待っているおばさんと、修理中のお店のご主人がいた。 お店の前に自転車を止めると自分にちらっと目をやった。 そして自分の姿を見て『ちょっと待ってて。』 と、今は修理に専念している。 おばさんの自転車のパンク修理が終わったかと思ったら。 そのまま、頼まれてもいないのにブレーキやチェーンを確認し、整備しだすおじさん。 その姿を見て。 あっ!このおじさんならなんとかしてくれるかも! と、その自転車に対する職人魂を強く感じ、それが期待に変わった。 おばさんの自転車の修理と整備が終わり、次は自分の番だ。 おじさんに自転車を見てもらう。 『リムかぁ…。』 自分はあまり知識がなかったのでホイールだと思っていたのだが。 壊れた箇所をリムと言うらしい。 『残念ながらうちには在庫がないなぁ。』 と、おじさん。 あぁ…やっぱりダメか…。 と、肩を落しかける自分。 すると。 『うちには(リムのストック)ないけど問屋に行けばあるかも知れないな。』 と、おじさんはまだ自分を見捨ててはいなかった。 そして、次の瞬間には軽トラに乗り込み。 ぶーん!と自分を残して走り去っていってしまった。 しばらく不安の中でおじさんを待っていると。 新しいリムを手に持ったおじさんが自分の前に登場した。 『安心しな!これで(沖縄まで)戻れるから!』 と。 おじさんは笑った。 しかし作業を進めて行くと。 故障していたのはリムだけでなく。 スポークが一本と。 後輪のシャフトも折れていた事が発覚した。 次々に起こる難題に。 おじさんはあれこれと試行錯誤し。 決して諦めず。 職人としてのプライドを持って修理をしてくれた。 そして3時間後。 自転車は直った。 自転車屋さんとサーフショップは似ていると思った。 どちらも量販店やインターネットで手に入れられるが。 売るだけ。 買うだけ。 そこに情熱はない。 サーフショップや自転車屋さんには。 物のやり取りだけでなく。 人と人の。 心のやり取りがある。 そんな気がした。 *おじさん本当にありがとうございました! |