昨夜の事だった。 目的地の指宿にある道の駅で合流。 いつものように。 くだらない話しを。 今日が長かったKENGO君との旅路。 その最後の夜である。 でも。 特にはその事に触れない二人。 そんな事は。 言わなくてもお互いにわかっているからだ。 いつもは自分がべらべらしゃべり。 KENGO君が相槌をうったり笑ったり。 でも昨夜は。 珍しく。 KENGO君から自分に話しをしてきた。 『この旅が終わったら、恩返しをしたい』と。 自分は黙って聞いていた。 でも。 その話しを聞けて。 すごく嬉しかった。 夜中から雨が降り出した。 天気予報は本当にあてにならない。 そもそも。 天気を予測する事自体間違っているのかも知れない。 その雨は朝まで降り続け。 今なお降り続けている。 出発のタイミングを伺うも。 雨は止まない。 『行きますかぁ。』と、雨仕様の姿になり。 鹿児島港を目指した。 午後。 晴れ間も出て来た頃に。 奄美・沖縄航路のフェリーターミナルへ。 でも。 フェリーに乗るのは明日にした。 なんとなく。 KENGO君に見送られるのではなく。 東京までのまだまだ長い彼の旅を。 逆に見送りたかった。 夕方。 再び合流。 今日のKENGO君の目的地は。 この先の桜島フェリーに乗り。 降りたすぐそばにある道の駅だ。 時間もあるので。 鹿児島の街を練り歩き。 夕食を取る事にした。 最後くらい美味しいものでも食べよう! と、そんな具合だ。 この夕食が済めば。 桜島フェリー乗り場まで一緒に歩き。 その出港を見送る事になる。 いよいよ最後だ。 ささやかながら。 ビールで乾杯♪ ふと。 自分がこれから向かう奄美大島の話になった。 その時。 KENGO君がぽろっとこう言った。 『本当は僕も奄美大島に行って何かできればなぁ~って思ってるんです"けど"時間が…。』 と、つぶやいた。 "けど"?の言葉が妙にひっかかる自分。 半分冗談。 半分本気で。 『時間がないとか言い訳するなぁ~!行きたいなら行けばいいじゃん!恩返ししたいんでしょ?』みたいな事を言った。 …。 一瞬の間の後。 彼の口から出て来た言葉に。 本当に驚いた。 『…行きます!僕も奄美大島行って…一日、二日の短い時間でも…やっぱり素通りは嫌だ!』 と、そんな事を言ったのだ。 えっ? 自分はその言葉に。 きょとん♪ としてしまった。 そして次の瞬間。 大笑いした。 つられて彼も大笑いしていた。 嬉しくて涙が出た。 それを隠すようにまた。 大笑いした。 自分は笑いながら出てくる涙をおさえながら。 『最高だ!やっぱり最高だよ♪』と笑い転げた。 これが。 毎日毎日。 寄り道もせず。 ただただひたすら。 歩き続けゴールを目指していたKENGO君の。 初めての寄り道だった。 その後。 『じゃあ、このお別れ会的な夕食はいったい…(笑)』 と、嬉しさを隠すようにおどけて見せたりした。 別々に宿を取り。 明日の夕方フェリーターミナルで待ち合わせをした。 奄美大島に何か役に立てればと。 決めたその時から。 心はすっきりしていたが、何をどうしていいのかわからなかった。 それがちよっと不安だった。 でも。 心強い仲間ができた。 そして。 KENGO君と。 この旅で出会えて。 本当によかった♪ と、そう思った。 ではまた! |