第百四十七話  “逃がした魚 ” 10-06

八丁浜で三日間のほほ~ん♪と過ごしている間に。
歩き旅のKENGO君に抜かされた(笑)

先に進んだKENGO君から。  珍しくメールが来た。
~東浜手前の左に行く178号は通行できないので、海岸沿いの峠を越えなくてはなりません。
車は全然通りません。  上りも緩やかです。~

フムフム。  と、メールを読み。  地図を見ると。
確かに国道はバイパスになっていて自転車は通行出来なそうだ。
迂回路の海沿いの道を見ると。  何だかくねくねしている。。

普通。  こういう作りの道は。    キツイ。
直線で道が作れない程傾斜がキツイのでくねくねしている。
だが。  彼からの情報では。  坂は緩やかだと。  そう書いてある。

しばらく走ると。  問題の峠に差し掛かり。
そして。
愕然とした。

あぁ…。   ヤラレた…。

道は大蛇のように地をうねり。



ひぃひぃ言いながら。   久々にチャリを押す。

次に…会ったら…  絶対…  …靴の紐を…  靴の紐を……
固結びにして…やるぅ~…
と。
息を切らしながら心に誓った(笑)

ようやく登り切ったかと思った峠道。
しかし。
残酷な光景が目に飛び込んで来た。



×1


×10


×100    …まだだ。

それでも。
確かに交通量は少なく。  車には3~4台しか追い越されていない。
その内一台は。  サーファーさんぽかった。

さて。
今度こそ。  今度こそ峠を越したようだ。
下り坂に入ると。
すぐに鳥取県だった。



今度は急な下り坂だ。

道路の微妙な段差に気を使いながら。  坂を下る。
涼しいぃ♪

左カーブに差し掛かった時だった。  急に眼下に海が見えた♪


波も見えた♪


サーファーさんの姿も見えた♪
もう。気分は"ゆず"だ。

この長い長い下り坂を~♪  板を自転車の後ろに載せて~♪
と。

ルンルンで坂を下り海への道を下って行くと。
さっき峠道の時途中で自分を抜かして行ったサーファーさんの車が停まっていた。

あっ!  と、思い。
着替えているお二人に近付いて。
『こんにちは!!』と挨拶すると♪
『おぉ、やっと着いたか(笑)』と言って下さったのが。



姫路のいっちゃんさんとNさんだった♪
そこから話しが弾み。  パンとおにぎりを頂き。  一緒に海に入らせて頂く事にした。

東浜の右側のリーフブレイクのように規則正しいレギュラー。
誰もいない…。



そこにパドルアウトするお二人。  着いていく自分。

最初は。  ももセット腰。
が。
徐々に徐々に。  サイズが上がって来た。
セット腹。  セット胸。   これにはいっちゃんさんも驚いていた。

しかし。
お二人の絶妙な駆け引きが面白い♪
セットが入ると。
『乗らんのか?乗るんか?ほなワシが行くでぇ~』といっちゃんさん。
するとNさん。
『やなっち、騙されたらあかん。あれはフェイントや!えぇ波はこの次や!』とNさん。
そんなお二人の掛け合いが。
もう、おかしくておかしくて♪
ゲラゲラ笑いながら波乗りを続け、お腹が痛くなるくらいだった。

そうなって来ると。  波の方も茶目っ気を見せてくる。
思わぶりなセットや。  急にセットが来なくなったなぁ~。  と、ミドルサイズに乗ろうとすると。
あざ笑うかのように見事なセット。

結局。
今日一番のセットは。  いっちゃんさんと二人で仲良く。
あぁぁぁ!!
と、叫びながらドルフィン♪

その後しばらく。  逃がした魚はでかかった!  のように。
あれは肩くらいあったでぇ~!
めちゃショルダー張ってましたね…あの波。
と。
二人でドルフィンした波の話しばかり(笑)

青空と。  白い砂浜。  目の前の山々と。  貸し切りのポイントブレイク。
その中で笑顔のサーフィン。

夢のような時間だった。

お二人が休憩に入り。  一人になる。
数本乗り。
ラストはセットを待ってテイクオフ。
途中の速いセクションを抜けキレず。  波に巻かれてぐるんぐるん♪

普段ならもう一本!となる所だが。  今日はもう十分だった。

*いっちゃんさん!Nさん!楽しい時間を一緒に過ごさせて頂いてありがとうございました!
本当楽しかったです♪





さて。  移動。

夕方。
目的地が近付いた頃。  車の中の笑顔の方が。  自分を見て停車した。
『やなっち~!』と。

よっしーさんと奥様だ♪



伊勢でモトにぃとあったその時に一緒にいた方だ!
まさかの再会に驚いたが嬉しかった。

*よっしーさん!奥様!お互いにびっくりでしたね♪タイミングが合えば沖縄でお会いしましょう!

今日は。
この旅の醍醐味がぎっしり詰まったような一日。
峠を越え。  坂を下ると海が見え。  そこで出会ったサーファーさんと一緒にサーフィン。
そこには笑顔と笑い声。

ついさっき出会ったとは思えない。
そしてまさかの再会もあり。
やっぱり海で人は繋がってるんだなぁ~。  と、思うのではなく感じる日。

今日はそんな日だった。

ではまた!