第百十一話  Great Surf jorney Day-37 
“ 手の平の石 ” 08-26

さて。
今日は失うものもあれば手に入るものもある。
そんな話しだ。

今朝、無料のライダーハウスを出て。  いつもと変わらずタラタラと自転車を漕いで西へ向かう。
途中、いくつかサーフポイントらしき場所を見つけながらも、うねりが弱すぎてよくわからない。
ちょっと走れば河口があり、うねりが入ったらどうなっちゃうの♪
みたいに一人妄想しながら海沿いを流して行く。

この時はまだある事に気付いていない。

さらに進み。  久しぶりにコインランドリーを発見♪
数日分の洗濯物がリフレッシュされる事をまだかまだかとずっと待っているのだ。
その期待に応えるように発見したコインランドリーに向け舵をきる。
洗濯物達はそりゃもうおおはしゃぎだ♪  と、自分はそう思っていた。

よーし!みんなコインランドリーについたぞー♪  と、声をかけるも反応がない。
ん?そうか。
あまりにも放置し過ぎて機嫌が悪くなっているんだな♪
しゃあないなぁ。  手間のかかる子達だ。
わかったわかった。
今日は特別に柔軟剤も入れてあげるから出ておいで~!  と、言っても反応が全くない。

焦り出す自分。
まさか…みんな耐え切れずに家出!?
慌てて洗濯物達が隠れていそうな場所を捜索するも。  彼等の姿はどこにもなかった。

愕然とする自分。
記憶をたどって見る。

洗濯物はいつも一つの袋に入れハコブンダーに載せておく。
そういえば…昨日のライダーハウスに着いた時…すでになかったかも…。
となると、彼等がいなくなったのは一昨日?
いや。  昨日の朝は見た。  はず…。
どこで彼等と生き別れたかもわからない。
最後に彼等を見た場所まで引き返すとなると100㌔近く戻る事になる。

す…すまん…。  許しておくれ。
見つかる保障などない往復200㌔の距離はあまりにも長かった。

さよなら目録  NORTH FACEのアウター1枚  Quicksilverのインナー1枚
REEFのラッシュ1枚  バスタオル 1枚  利尻富士温泉ロゴ入りフェイスタオル 1枚
Tシャツ 1枚  寒い夜に履く用長ズボン 1着

そして…。
利尻岳登頂記念にマルゼンさんで購入した、利尻岳が大好きな人しか買えない
【利尻岳が大好きですTシャツ♪】 1枚  のスタメンレギュラー組を一気に失った。
*相当凹んだ為、文章表現が若干おかしくなっている事をお詫びします。

がっくり肩を落とし、彼等が大好きだった思い出いっぱいのコインランドリーを後にする。
そういえば、洗濯物達はグルングルン回ってホッカホカになって出て来た時は嬉しそうな顔をしてたっけ。
などと思い出すのは彼等との思い出ばかり。

今にも止まりそうなスピードでふらふらと道を進む。

道の駅を見つけ。  特別な用はなかったが立ち寄ってみる。
すると♪
朝会ったチャリダー二人と再会♪



彼等を失った寂しさを紛らわす為に神様が与えてくれた出会いだ。
すぐに打ち解け。
三人で105円づつだし箱入り10本入りアイスを購入♪
ジャンケンの結果ポップコーン太郎君が4本のアイスをゲット。  自分とG君は3本づつ。

一気に2本のアイスを開け、二刀流の武蔵気分でアイスを頂く♪
くだらないが楽しい(笑)
彼等を失った悲しみからやけ酒ならぬ、やけアイス。
一気に頬張りキーン!とするあの感覚が辛さを忘れさせてくれる。

失ったものは戻らない。
が、
その分手に入れる事が出来ることもある。



彼等を失ったパニックによるタイムラグが出会いをくれた。
今日はポップコーン太郎君とG君と、同じライダーハウスに泊まる事にした。



ちょうど。  イチローさんのBBQでお会いしたお坊さんのNさんが話してくれた話しを思い出した。

あなたは両手に一つづつ大切な石を持っています。
その足元にダイヤモンドが転がっています。
さて。
どうしますか?   と言う話しだ。

もちろん答えは。
どちらか一つの大切な石を捨てなければダイヤモンドは手に入らない。

つまり。
何かを手に入れる為には大事なものを失うこともあると言う事だ。
何から何まで手に入れようとすれば。
必ず抱えた腕から知らず知らずの内に何か大事なものを失うのだ。

また。
何か大切なものを失ったから手に入る大事なものもある。
自分の両手にはどんな石があり、それと引き替えに何を手にするのか。
両手にある大切な石と手に入れたいものを天秤にかけるのだ。

迷いや何かを失うのが怖い時は。
天秤は行ったり来たりするだけで答えはでない。
それを手に入れたい気持ちが確かなものでゆるぎないものならば。
天秤は確実に手に入れたいもののほうに傾くのだ。
そしたら喜んで期待に胸を膨らまし。
手にある石を捨てそこにあるその石を拾えばいい。

自分は安定を捨て自由を拾った。  そしたらその石は何かの原石だった。
磨けば磨くほど光輝き。
様々な人との出会いと生きている実感、知らなかった自分の強さや弱さも付いてきた。



手に入れたいなら何かを捨てる勇気も必要だ。
と言う今日はそんなお話しでした♪

ではまた!

 

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