第五十九話 “ 一緒でなくても ” 06-29

これは。

原宿の美容室CORのRIKIさんとMORIHEIさん。

去年の5月
沖縄のシーナサーフの一枚だ。

あれから一年二ヶ月。
今日、再会した。
MORIHEIさんはお仕事で今日はお会いできなかった。
が。
また繋がれた。
これもまた。  偶然からの展開だ。
ツイッターとやらで。
お二人の友達。
Sさんが自分を知った。。

日常の会話の中で。
『なんかサーフィンしながら日本一周してる人がいるらしいよ!自転車で。』
RIKIさん『名前は?』
Sさん『やなっち。』
RIKIさん『やなっち?知ってるよ!』
と、話しが繋がった。

MORIHEIさんが連絡をくださり。
偶然にも。
自分の居場所とRIKIさんのホームブレイクが重なった。
昨日連絡が来た時はテンションが上がった。

沖縄であった時を思い出す。
あの時。  自分の夢を熱く語った。
めちゃめちゃ熱く。
二人はずっと聞いてくれた。
そしてその夢を応援してくれた。
語れる夢があること。
それは幸せな事だ。

そして。  熱く。  語れば語るほど。
夢が。  夢の方が自分に近づいて来る。

夢への一歩。  夢への一歩は。  その夢を。
その熱い想いを語る事。
細かい事はいい。
自分はこれをやる!
絶対に!  だけでいい。
やる!と決めても。
最初の一歩を踏み出すまでが大変だ。

でも。  熱く。  熱く語れば語るほど。  その一歩が軽くなる。
言魂。  言葉に魂が宿る。
そんな気がする。

若干、話がそれた。
さて。
明日、会えるとわかったら気持ちが高ぶってあまり寝れなかった(笑)

3時には起床し。  4時には出発していた。
特に待ち合わせ場所は決めてはいない。
海の方向。  東へ向けて走り出す。
東の空が。

…すごい


すごい綺麗だ。
今日この後の。
素敵な展開を予想させる。
が、しかし。
海に近づくに連れ。
濃い霧が。



雨まで降って来た。
が  気持ち。  気分。  感情。  ってのは面白い。
雨や霧に。  ワクワクやドキドキが勝る。
鼻唄さえ飛び出す♪
ちょっと飛ばし過ぎたようだ(笑)

連絡が来た時には。
RIKIさんが目的地としていたポイントをを通り越してしまっていた。
勇み足…。  合流地点をTポイントへ修正。

ポイントへ到着。
霧の立ち込める海を見る。
はっきりとはわからないが。
ひざ位だろうか。
あぁ~今日は一緒にサーフィン出来ないかも…
と、思いながら後ろを見ると。
ちょうどRIKIさんが到着した。

再会を喜ぶ♪  さらにお友達たくさん!
Saitouさん。  Yamaguchiさん。  satouさん。  RIKIさんの奥様kaoruさん。

こんな時はいつもそう。  話したい事がたくさんで。
会話のすべてが中途半端になってしまう。
急にたくさんの人が訪ねて来た時の犬と一緒だ(笑)

まぁ仕方ない。  いづれ落ち着く。  後でゆっくり。  話せばいい。

近くに地形がばっちりの場所があるらしく。
RIKIさんの提案で。  そこに向かう事にした。

その途中。  軽トラックが横を通り過ぎる。
地元のおじちゃんかな?
と思ったら。
車の中からニコニコ笑顔が見えた。
『もしかして、旅してる人ですか!?』と、声をかけて下さった。

Y君とY君だ。


とても爽やかな二人で。  こちらも心地好い。
この出会いは。  RIKIさんが運んでくれた出会いだ。
自分一人なら。  あの路地は絶対に曲がらない。

さて名も無いポイントに到着。
相変わらず霧がすごい。
しかし。
そんな事はお構いなしでみんなパドルアウト♪

KAORUさんはビーチでのんびり。
やや遅れて自分も。
波待ちをしていても。  波が見えない…
急にうねりが目の前に。
慌てて乗ってみると。
小ぶりながら綺麗な波だ!
霧が流れていない事からも、風がない事がわかる。
面つるつる♪  引きに合わせコンディションは上向く。  たま~に腰。

貸し切りの時間は続く。
ヒュ~!  とか  Go!Go!  とか。  来たっ!  とか(笑)
最初は苦戦していた霧も。
『なんも考えないで頭真っ白にしようぜ!』のRIKIさんの一言で。

あっ!  なるほど。  この状況も結構乙だな♪
なんて思えて来た。
見えるのは目の前にある波とみんなの影。
聞こえるのは波の音と笑い声。
そして感じるのは。  最高のこの場の雰囲気。

途中。  うっちーさんが合流。
これまた笑顔に深みがある人で。
雰囲気からサーフィンへの思いを感じられる。

途中、ぽつんと一人のサーファーが海に入ってきた。
普段の自分がそんな感じだ。
楽しそうに仲間で波乗りしている人達が羨ましい。

何と無く話し掛けてみた。
するとさっきまでの表情と明かに違う笑顔になった。
お節介かも知れないが。
自分がそうしてもらって嬉しかったから。
一緒に波乗りをしている気分になれたから。

ちょっとしたことだが。
彼の笑顔からそれが迷惑ではなかったと感じ。
少し嬉しかった。


海上がりに一枚♪

ほんの一時。  霧が晴れた。
この光景を。  カメラに収めたかった。
でも…  中々うまく撮れない。

選手交代。  うっちーへ。
自分はRIKIさんの板を借りてロングに挑戦!
RIKIさんはYAMAGUCHIさんの板を奪い取り?
ともあれ。  二人で沖に向かう。
一緒にサーフィンをしている事が。  昔から当たり前だったかのような錯覚に陥る。
みんなバシバシ乗って行く!

シュ~♪


バシュッ!


ぐぅぃ~ん♪


ひゅ~う!


うわっ!?

…。

海で過ごした数時間。  波を分かち合い。  笑って共に過ごした時間。
これは普段の生活の中で顔を合わすだけの人と。
接した時間の数倍。  数十倍の違いがある気がした。

海から上がり。
Saitouさん。  Yamaguchiさん。  は用事がありここでお別れ。


RIKIさんとKaoruさん  satouさんとうっちー。
5人で近くのご飯屋さんに向かった。
食事を取り。  のんびり話した。
とてもいい時間だった。

別れの時間は必ず来る。  必ずだ。
一緒に行動を共にして旅をすることは出来ない。
お店の外に出ると。  お店のおばちゃん達も混じって記念撮影。


ボーリング大会をした訳ではない。
おばちゃんがメロンをくれたのだ♪

さてさて。  タイムリミットだ。
見送られるのは辛いから。  自分が見送ろうとすると。
それは却下(笑)

『行ってきます!』とペダルに足をかける。
後ろは振り返らない。  見れば更に別れがつらくなる。
今は前に進むしかない。
また一緒に波乗りをしたい。
それが例え。  同じ場所。  で。  一緒でなくても。
この日本の海のどこかで。  波乗りをしているだろう。
だって。  海は。  海は繋がってる。
そう思えば。

寂しくない。  そう思った。