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第七十一話 “ 雨の松島 ” 07-11

昨日の波が忘れられず?
今朝もまた来てしまった(笑)



45号線を目の前にして足踏み状態?
いやいや。  勇み足はいけません。  慌てない慌てない。
この先はポイントごとの距離がかなり離れているようなので。
しかも。
(たぶん)リアス式の入り組んだ海岸線なのでうねりも入りづらそうだし。
ポイントに辿り着いても波がある保障はないし。
と、なんだかんだいいながら波乗りがしたいだけなのである(笑)

まぁそう言う訳で♪
朝ご飯?!いただきま~す!
昨日に比べればサイズは下がったものの。

たまのセットは♪



ごちそうさまでした♪

さて。  今日はこの後ちょっと予定が。  今は内緒で…

半日、MAEDAさんとAOKIさんとご一緒させていただいき。



最初は緊張していたものの。  お二人の人柄にリラックスした時間を過ごし。
貴重な経験をさせていただいた。
感謝感謝です!

さてさて。  二日間お世話になったMAATY'Sさん。



オーナーは恥ずかしがり屋さんなのかブログNG。
でもすごく温かい人で。
ここのポイントのアットホームな雰囲気はオーナーさんが創り上げたんだなぁと。
*MAATY'Sさん!ステッカーや差し入れをいただきありがとうございました!

そして。  駐車場のおじちゃん!  二日間いろいろありがとうございました!

さて。
出発と同時にぽつりぽつりと。  天気予報って…。
それはさておき。  ついに来ました!  国道45号線。
とは言え。
45号線全てがきついわけではない。
挨拶がわりの軽い軽い峠道を越え。  松島へ。

んん~。  これが松島か。



どうやら波はないようだ。

一休みしていると。  わんちゃんのお散歩中のおじいちゃん。
小春ちゃん♪



かなりの美人(犬)さん。
そうそう。  おじいちゃんの話しでは。  一昨日。
自転車で日本一周している人と、北海道を目指している人が松島を通過して行ったらしい。

ニアミスだ。  だがこれもまた縁。  出会うべき人には必ず出会う。
繋がるべき人とは必ず繋がる。
その出会いと繋がりから。  何を感じ何を受け取り伝えるか。
それによって出会いの意味も変わってくる。

出会いは偶然ではない。  必ず意味がある。  と、旅をしてきた人達は言う。
それは。
その旅人達が、出会いを大切にし。  その出会いから。  何かを感じ。 
何かを得たからなのでは。
と思う。

日々出会う人達。  その出会いを善きものに出来るかは。  その時の自分次第。

だから。
この先にあるであろう新しい出会いを。
波も人も。  その一つ一つに。  感謝し。  大切にして行きたい。

と。
そんな事を小雨降る松島で。   松尾芭蕉も旅をしながら考えたのかなぁ?
と思いながら。

ではまた。

 

第七十二話 “ ぶらりふたりで歩き旅 ” 07-12

昨日は。
日本三景の松島で野宿(笑)

夜中。  雨と風が強まり。  肝を冷やしたが。
おかげで。  新たな。  野宿スタイルを確立した(笑)



さて。
朝起きて。  準備を整え。  出発しようと思ったが。  回りのゴミが気になる。
これでは日本三景も台なしだ。
~立つ鳥後を濁さず~
ゴミ拾いの徳拾い♪

散らかった花火や空き缶やペットボトル。


目につくゴミをごみ箱へ。
ただそれだけだ。  ものの5分足らず。
でも。  ほんのちょっとでも。  やらないよりかは。

さて。
順調に道を進み。  お昼頃。  自分の少し先を気になる人が歩いている。
はて?  こんな場所で。
山登りでもなさそうだし。

徐々に追い付く。
背中のリュックに何やら文字が。   【日本一周中】

『来た~っ!!旅人発見っ!』と、心の中で大騒ぎ♪
『こんにちは~!』と。  この旅で歩いて日本一周をしている人に会うのは二人目だ。

きむら けんご君


穏やかな表情の彼は。  東京から19日目でここまで来たそうだ。
最初は。  走って一周するつもりだったらしいが。  流石にそれはきつかったようで。
歩き旅にしたようだ。

数日前に。  自分と同じく。
リアカーでごみ拾いしながら北海道を目指している剛さんと一緒になっていたらしい。
その時に自分の話しを聞いていたようだ。

繋がった♪

それにしても彼は、一日4~50㌔歩くらしい。
自分が剛さんと別れ、その先でのんびり波乗りしている間に追い越されていたようだ。

少しの間でたくさん話した。
今日は宿をとったという彼の目的地は、自分の目的地のその先だ。
あまり足止めしてはいけないと思い。  互いの検討を祈り。  お別れした。

彼もまた。  二年前の自分と同じように。  自分探しの旅のようだ。
走りながら考えた。  自転車と歩き旅。  ペースが違うから一緒には進めない。
でも。  もう少し話したかったな…。

あっ!  自分が歩けばいいんじゃん!
簡単な事だった。
なんで気付かなかったのか。

少し進んだ先のコンビニで飲み物を買い。  給水所気分で彼を待ち伏せ(笑)
あっ!来た来た♪  はいっこれ!  と、再び声をかけると。
彼は驚いた顔をしていた。
きっと自分も、突然声をかけられた時は。  こんななんだろうな~。
と思ったらなんだか堪らなく可笑しかった。

そこから。  自分が立ち寄る予定の日帰り温泉までの数㌔。
歩きながら。  話しながら。



ぶらりぶらりと。

旅での出会いの話しになった。
彼もまた出会いには恵まれているようだ。
そして。  彼の口から。
『恩返し』  と言う言葉が出た。

思わず少し前の自分の心境とダブった。
彼もまた。  旅を始めてたくさんの人にお世話になり優しくされてここまで来たのだろう。
そして彼も当然のようにお世話になった人に恩返しがしたい。
その人達の分まで頑張らなければ!
と。

きつい体に鞭を打って歩いているようだった。  その疲れが、笑顔の裏に影をさしていた。
いっぱいいっぱいなんだと思った。
旅に出て約三週間。  疲労も溜まる頃だ。
進んで来た道のりを思い返し。  その先の長い長い道のりに茫然とする頃だ。

恩返しについて。  今の自分が思う事を彼に話した。  自分に言い聞かしているようでもあった。
自分が旅先で出会った人達に言われた事を。  彼に伝えた。
自分は彼に伝えながら自分の気持ちに整理をつけた。
やっぱりそうだ。  それでいいんだと。
結局。  彼の気を楽にするつもりが。  自分の気持ちが楽になってしまった。

彼と別れ。  自分は少し寄り道。
昼間から温泉とは贅沢だ。  サクッと汗を流し。
外に出て風を浴び体を冷やしていると。

『これどうぞ!自分も昔、北海道回ったりいろいろしてたから。』と。


差し入れをいただいてしまった。
あっ。  やっぱりこれでいいんだ!  と。  改めて感じた。
次の旅人へ。  繋げる気持ち。  自分が受けた恩の。  感謝の気持ちを。

お礼を言い。  走り出した。
自分と彼の目的地は、この先10㌔位の所で分かれ道となる。
チラっと時間を見る。
まだ間に合うかも!
このいただいた差し入れは。  自分だけでなく。  彼の分もある気がした。

北上川沿いを進みながら彼の背中を追った。
分かれ道まであと数㌔。  間に合うか?

しかし、なかなか追いつかない。

分かれ道まで数百㍍。




いた!!

再び背後から彼を驚かし。  『これ半分個にしよう!』と。  半ば強引に?
頂いた食料を彼に半分渡した。
自分が。  今までお世話になった人への恩返しがどうしてもしたかった。

直接でなくとも。


こうして彼と別々の道へ。  また会えたらいいな。
と思いながら。  再び自分の一人旅が始まった。

ではまた!

 

第七十三話 “ 旅は道連れ♪ ” 07-13

今朝は眩しい朝日で目を覚ました。





45号線。   ちょっくら行きますか!    と走り出す。
順調に行けば午後にはサーフポイントに着くはず。   そう思えば峠道も軽々と?

ぜーぜーしながら小さな峠を越す(笑)



海沿いにでると雲行きが怪しくなって来た。

お昼過ぎ。  Kポイント付近に到着。  海岸を目指す。
この旅をしていて。  一番ドキドキする瞬間だ。
このポイントは。  どんな景色なのか。  そこにどんな波があるのか。
毎回毎回ワクワクする。

細い道を抜け海が見えて来た!





おぉ!!  いい景色だ!   おぉぉぉ…    なっ…波が…。



まぁ。  こればっかりは仕方ない。  自然はコントロールできない。

しばらく海を眺める。  すね位のショアブレイクが静かな海岸線に打ち寄せる。
ちょっと海岸線を歩いて見る。  波が足をすくう。



冷やっ!  冷たっ!!  仙台周辺とは水温が全く違う。
地域によってこうも水温が違うものかと。  毎回驚かされる。

しかし。  波が…。  
なかなか諦めキレずに。  1時間半位海辺にたたずむ。
ぽつりぽつりと雨も落ちて来た。
移動しよう…。

後ろ髪を引かれる思いで走り出す。
すると。
福島の164さんから聞いていたサーフショップ。   かぶとむしさんをすぐに発見。



立ち寄って見ると。  閉まっていた…。
ふぅ。  またまた残念。  と、諦めようとした時。
隣の畑にいた女性の人がショップの水道を使いに来た。
ん?  もしかして。 
『こんにちは!ショップの方ですか?』
と、聞くと。  『なに?どうしたの?』と。
かぶとむしサーフショップのYU-MIさんだ。
お店を開けて下さり、中でしばらくお話した。



夕方。  潮の上げとともに。 『もしかしたらサイズ上がるかもよ♪』
『私も夕方行くかも知れない!』  と、教えて下さった。

このKポイント。  今週末にJr.の大会があるようだ。



茨城で会ったKANATO君も来るのかな?

さて。  YU-MIさんにお礼を言い。  再び海へ。
潮の上げを待つ。  今日は大潮。  変化は見て取るようにわかった。
明らかにコンディションが上向いて来ている。

しかし。  誰もいない海。  迷っていると。  ローカルさん登場!
それを見て。  即支度。
水の冷たさも忘れ海に飛び込む。
ビーチから見ていたよりも、海に入って見ると遥かにいい波が。
『こんにちは!おじゃまします!』
と挨拶し、波に乗る。
鎌倉の七里ヶ浜の【への字】みたいな感じでうねりが入ってくる。



そして。  嬉しい事にグーフィーがいい感じ♪
ロングのローカルさんと代わる代わる波に乗る。
そうこうしていると。  ローカルさんが一人。  また一人と。

ポイントブレイクなので、自分は少しよけて余った波をもらう事にした。
すると。  パドルアウトしてきた年配のローカルさんが。
『自転車でどっから来た?』と。
『沖縄です!』と言うと。  『こっちさ来てピークから乗れ!』と。
一瞬遠慮しかけたが、せっかく声をかけて下さったのでお言葉に甘える事に。
たまに波を譲ってもらいながら波乗りを楽しんだ。

海から上がると。  ちょうどYU-MIさんが来た。
軽くガタガタと震えている自分を見て笑ってた。
これで寒いと言ったらローカルさんに笑われるのは当たり前だ。
真冬はドライスーツで波乗りをしている人達だ。

沖縄のぬるま湯に慣れてしまった自分が憎い…。

さて。  着替えを済ませ出発。  駐車場を通りかかると。  さっきのローカルさんがいた。
お礼を言いに♪



*皆さん今日はお世話になりました!ありがとうございます!
*YU-MIさんステッカー!そしていろいろありがとうございました!



さて。  諦めかけていたサーフィンもでき、ルンルン気分♪  鼻歌混じりに走っていると。
『あっ!いた!』



また彼に会った。
そして今日は同じ道の駅で野宿することに♪

旅は道連れ世は情け。
今日は旅の友がいるから楽しい夜が過ごせそうだ♪

てな訳で今日はここまで!
では!

 

第七十四話 “ チャリハイ! ” 07-14

昨日は。
KENGO君と。  ささやかながら乾杯。



やっぱり皆。  悩みながら。  何かを抱えながら生きている。
ただ。  向き合い方は人それぞれ。
それでいい。

KENGO君は旅を選んだ。  ただそれだけだ。
昨日は旅の苦労話しや笑い話をたくさんした。
自分が彼の悩みを聞く事もできたが、あまり聞かなかった。
今、彼はもっともっと旅の楽しさを知った方がいいと。  そう思った。
自分探しの旅に出た彼。  向き合う時間はいくらでもある。
一人の時は嫌でも自分と向き合わざる得ない。
せめて。
一緒に旅を分かち合える時間は、気を楽にさせて上げたい。
自分がそうだった。  

以前の旅。  前半はひたすらに自分と向き合い、辛さとの闘いだった。
旅の途中から旅人に出会い。  旅の楽しさを知り。
自分がどうすべきかが見えてきた。
それを教えてくれた旅人への恩返しであり、感謝の気持ちだ。

夜は雨に降られ二人でもそもそと寝床を移動。
朝起きると二人共ちょっと鼻声(笑)
一人では辛い夜も二人なら笑い話。  こうして旅の思い出がまた一つ。
こうして笑っていられればきっと何かが変わるはず。



と、自分はそう思う。
ペースは違えど、ほぼ同じ道のり。  もう一度位会えるかもしれない。
そしたらまた。  楽しくやればいい。
またの再開を楽しみにして。

さて。  さてさて。  45号線。
この道はチャリダーを退屈させない。
上がったり下がっり♪



おまけに雨で気が滅入る。
普通なら。  普通ならだ。
しかし。  ある程度繰り返すと。  麻痺してくる。
坂を登って下る時のCoolDown感が堪らない。

レインコートに身を包み。  息を切らして坂を登る。
つぅ~っと体を流れる汗がくすぐったい。
だから。  サウナスーツ状態から解放される下りが気持ちいい訳だ。

チャリダーズ・ハイ   こんな言葉は無いが勝手に作った(笑)
ランナーズ・ハイやクライマーズ・ハイと一緒?
略して【チャリハイ!】   略した意味は?   特に無い…
きついはずなのに爽快な気分♪

気仙沼を越え岩手にin。



リアス式海岸の綺麗な景色が堪らない。  山と海。  相重なって。


…不思議と後から写真で見るとそうでもない。
峠を越え出会った景色だから綺麗に感じるのだろうか?

さて。
日本百名山を回っていると言うNさん。



朝、道の駅で一緒になり自分とKENGO君に差し入れを♪
『二人とも、この旅が終わってからが人生だぞ!』と。
*声をかけていただいてありがとうございました!

トラックの運転手さん。


1時間位話したかな?  道に詳しいのでいろいろ道路事情を。
『間違っても2号線にはいくな!』  45号線所ではないらしい。
*差し入れやいろいろ情報ありがとうございました!
福岡から日本一周中のKさん。



これまた差し入れや北海道情報ありがとうございました!
そして。  今日は宿を取る事に。  素泊まりのはずなのに…  突然呼ばれ。  豪華な夕食を。



只野旅館のおばちゃん!おじちゃん!  美味しかったです!  ごちそうさまでした!

さてさて。  ここまで、この旅で守り通して来た自分なりのルール。  それを今日。
今日をもって終止符を打った。  やはり、45号線。  守り切る事ができなかった。
残念ではある。
しかし。
旅を進める上でやむを得なかった。   残念だ。
ここまで守り通して来た、【島ぞうりかサンダルしか履かないルール】   (なんだそりゃ?)

わからない自分の掟(笑)  それも45号線の前では無力だ。
島ぞうりやサンダルではチャリを押して坂を登るとき。  力が入らない。

でも靴は嫌だ…。  旅人 →  旅 →  足袋 → 地下足袋(笑)



ここから先の峠道は。  地下足袋を履いてはい上がります♪

では!

 

第七十五話 “ 轍 ” 07-15

ぷるるるる♪
朝、部屋の内線電話の音で目が覚める。
『あっおはようございます!』
『よく寝れた?朝ご飯用意してあるから、おあがんなさい♪』
と、おばちゃん。

結局、二食ご馳走になってしまった。
おばちゃんは言う。
『私はこういう風にしてあげられるから幸せ者だよ。したくてもできない人だっているでしょ?』
と。
『だから、おばちゃんに感謝しないで神様に感謝してね!』と。
そう言っていた。



*おばちゃん・おじいちゃん。本当にお世話になりました。ありがとうございました!
また、親切と優しさに触れた。  この恩をまた次に。

さて、小雨が混じる中走り出した。
しばらく走ると。  橋の下に車を停め何かをしている人が。
『こんにちは!故障ですか?』と聞いてみる。
まぁ、専門知識も無いので大した役にはたて無いが、力なら有り余っている。

すると。  『いやぁ。ちょっとライトの調整だよ』と、おじさん。
続けて。  『ちょっと一服していかんか?』と。
中野さん。



地元の建築士さんだ。
時間が経つのを忘れるくらい。  たくさん話した。
『貧しくても、心は豊かに生きなさい。』と。
『困ってる人がいたら、見過ごさない事。それが勇気だ。えばったり強がったりするのはそれとは違うんだ。』

昔はがき大将だったらしい。
『がき大将も大変だよ(笑)だって皆を守らなきゃならないからな!今はがき大将がいないんだ。大人数で一人をいじめたりな…。』
と。
『もし、どうしても困ったらいつでも連絡しなさい!青森でも、北海道でもどこでも行ってやるから!』と。

嬉しかった。  そして、中野さんに一つお願いをした。
もし、歩いて旅している子がいたら。  同じように声をかけて欲しいと。
中野さんと別れた後走り出した。

峠。
10%の勾配。



100メートル進むと標高が10メートル高くなる。
つまり。  角度は…えっと…   難しい話しはやめよう(笑)

しばらく進み、途中の道の駅で一休み。
KENGO君は先に進んでいるのだろうか?
それとも。
自分の後ろを歩いているのだろうか。
また会えたらいいのにな。  と、思って出発しようとすると。

ぷっぷ~♪  中野さんだ。
『お~い!歩いてる子がそこにいたぞ~!』と。
『えぇ!!』
中野さんの再登場とその言葉に驚いた。

待つこと5分。  KENGO君とも再会できた。  笑った。   大いに笑った。  再会が嬉しかった。
そして。
再会させてくれた中野さんに感謝だ。  あと少しで出発し、坂を下る所だった。

しばらく三人で話した。



彼の今日の目的地と自分の目的地は一緒だった。
再び夜に再会する事を誓いお互い出発した。

そして、今一緒にいる♪  これも巡り合わせだ。
無理に意味を持たす事はないが。  間違いなく意味のある事だ。
その意味を無理に考える事はない。
その時ではなくても。  後から。  あっ!なるほど♪   と、気付く時がくる。
そういうものらしい。
ここまでの旅で学んだことだ。

さてさて。
道の端っこをを走っていると、道には轍がある事に気付く。



轍に乗っている時は気付かない。  が。   外れた道を進むと、その存在に気付く。
轍に近づくと。  ハンドルは取られるし、道もガタガタしたりする。

気付かない内に轍に乗って走っていた今まで。
轍から外れた道を進むのは怖いと思った。  そこを外れれば安定はないからだ。
逆に。
がっちりした轍にはまって進んでいくと。  その轍から。  安定から抜け出せなくなる。
でも。
そこから抜け出せば。  道は自由だ。

ただ。  綺麗な道ばかりは走れない。
それでも自分が進んで行く道を自分で選べること。
そこには。  楽しさや喜びがある。  新しい道を創って行く楽しさがある。
まだ、だれも通ったことの無い道を進む喜びがある。
どちらの道がいいとかではない。  好きな道を進めばいい。
ただ好きな道を進んで行くには。  轍から抜け出す必要があるのかもしれない。

そんな事を考えながら。  走ったり押して歩いたり。  今日はそんな日。

そんな道のりだった。



ではまた!

~岩手県釜石辺りより~

 

第七十六話 “ ここは沖縄? ” 07-16

昨日の夜は野宿場所を求めて二人で町をさ迷うも。
小雨交じりの岩手の夜は寒い。

結局宿をとった。
夜二人でコインランドリーに行ったり、食事をしたり。   くだらない話しが尽きなかった。
一人でいる時はなんだかんだ、気を張っている事に気付く。

さて。  朝一緒に出発。


今日は道のりは一緒でも目的地が違う。  自分は途中のN板Pに寄るからだ。
どんな場所だろうか。  波はあるだろうか。  雰囲気は。  そこに集うローカルさんは。
興味が尽きない。

こんな日は峠道も。  トンネルも。  大した苦にはならない。
さらに。  雲も取れ晴れ間も出て来た。
そしてたどり着いたN板P。
青い空。  白い砂浜。  クリアな海。



ここは沖縄?  思わずそう思った。
ただ…波は…。



それでもこの綺麗な海にテンションはかなり高くなった。

海岸に向かう坂道を下る。
と、そこには。  かぶとむしのYUーMIさんから聞いていたKーSURFさんがあった♪
あっ!来た来た♪といった感じで杉本プロの奥様が出迎えて下さった。

そういえば。  昨日。  ルンルン気分で地下足袋を履いていたら。
島ぞうりをどこかに落としてしまったようで…。
KーSURFさんでビーサンを購入しようとすると!

島ぞうりが!!



岩手から石垣島に移住したお知り合いが送って下さったそうだ♪
さすがにこれは非売品。

残念…。
ともあれビーサンを購入。
すると。  奥様が。   KーSURFさんオリジナルステッカーをプレゼントして下さった♪





ところで。  岩手のサーファーさんは。  他の場所と比べても、特別アットホームだ。
すぐにこの雰囲気に包まれリラックス。  ちょっと海まで行ってみる。
海まで50メートル。  青空の下。  綺麗な海の目の前で。  のんびりと過ごす時間。



贅沢だ♪

さて。  波の方はすねくらい。  どうしようかと迷いに迷う。
も。
この綺麗な海を目の前にしたら、まぁ波に乗れなくてもいっか♪  という気持ちになり。  ザブン♪
やっぱり綺麗な海は気持ちいい。
下の白い砂がゆらゆらと。  覚悟していた水の冷たさも。  思ったほどでもなく。
たまにくる膝下位のセットにテイクオフ!せずに、そのままボディーボードのように腹ばいで波に乗る。
それでもすごく気持ちよかった。

一本だけ。  ひざ位のセットが!  テイクオフし、少し乗れた。
もうそれで満足だった。
海から上がるとまたおしゃべり♪  真冬の波乗り事情も聞けた。
『雪の日はまだいい方♪みぞれが1番キツイ!(笑)だって痛いだもん♪』

…想像できません。

あれこれ話していたら。  夕方になってしまった。  なんだか靄もかかって来た。



この辺りでは。  この靄を【やませ】と言うらしい。  真夏でも【やませ】が出ると涼しいらしい。

名残惜しいがKーSURFさんを後にして出発した。



KーSURFの皆さん!楽しい時間をありがとうございました!

さて今日の野宿ポイントの道の駅に向かっていると。
見慣れた人の姿が。

KENGO君だ。

自分が海で遊んでいる間に追い抜かれていたようだ。  うさぎとかめ   みたいだ(笑)

それにしても。  彼の目的地・いつものペースからすれば今ここにいるのはちょっとおかしい。
歩き方もぎこちない。
『どうした?大丈夫?』と聞くと。  『反対の足まで痛くなっちゃいました…』と。
とりあえず数㌔先の道の駅で待ち合わせ。
しばらくすると足を引きずりながらやって来た。
とりあえず休ませる。
もともと痛めていた右足をかばい過ぎて左足までおかしくなってしまったようだ。
それでもまだ。
この先の自分で決めた今日の目的地まで行こうとしている。

ん…。  これは無理し過ぎだな…。  まだまだ続く長い道のりに気が焦り過ぎ。
毎日の目標をクリアーしないと落ち着か無いのだろう。
気持ちはわかる。  自分も前半はそうだった。  でもそれでは絶対に体が持たない。
なんとか。  せめて今日だけでも。  無理をさせない方法はないかと考えていると。
good timingで♪
ピカッ!  ゴロゴロ~っと。  雷様登場。
やっぱり彼に体を休めなさいと。  お天道様もそう思っていたようだ。

かくして。  今日も一緒に野宿する事になった。

二年前の旅。  宮崎で一緒になったOKAさんが自分にくれたメッセージ。
『くつろげる人になり、楽しい人生を。』
焦りで心の余裕がなくなると。  無理をしてしまうのが人間だ。
そうなると。  大抵ろくな結果にはならない。
自分が彼に伝えたい事。  自分が出会った旅人から教えられた事。

もっと旅を楽しんで!  ただそれだけだ。

先はまだまだ長い。  その中で楽しむ余裕。
その余裕がなければきっといつかバテてしまう。
そんな彼に自分ができる事。
それは。
旅の楽しさを伝える事。  そんな気がしてきた。
そしてこれもまたきっと。
恩返しかと。  そう思った。

*お名前聞きそびれてしまいましたが、差し入れありがとうございました!




ゴーヤ♪
今日はなぜか沖縄を感じる日だった!

ではまた!

 

第七十七話 “ 夕立 ” 07-17

昨日の夜はテントを張り。



テントの居室と前室と。  半分ずつ使って二人でテント泊。
KENGO君は寝袋しか持っていない。  この先どうするんだろう…

さて。  今日は最高にいい天気♪
しばらくサーフポイントもないので、ひたすら移動。  太陽がサンサンと。  ちょっと暑い。
いや。  暑い。  汗ダラダラだ。

走る。


走る。


走る?


ひたすら走り。  夕方。  目的地の道の駅も近づいて来た頃。
ぽつり。  ぽつり。  パラ。  パラ。
ザッー!!



夕立だ…   北の方から雨雲が。



南の方は青空だ。  急いで雨宿り。  少し待てば止むだろう。  通り雨だ。
日差しで熱くなったアスファルトに雨が落ち、道路から湯気がもくもく。

自転車日本一周      ~ サーフィンの旅 ~-DVC00191.jpg

なんだか靄(もや)みたいだ。  靄と言えば今朝も霧が立ち込めていた。



そして朝も一次。  雨模様だった。  でもそれは天気ではなく。  人の心。
彼の心がだ。

朝起きてから、相変わらずくだらない話しばかり。  テントを片付けたり、地元のおじさんと話したり。
身仕度も一段落し。  『今日は二つ先の道の駅まで行くよ。』と自分。
そこまでは50㌔位ある。
つまり。  歩いてくる彼は辿り着けない。
『青森が近付けばサーフポイントがあるから、その辺りでまた追い付かれるかもね(笑)』と。

つまり。  つまりは。  もうここで。  最後かも知れないって事だ。
もしまたタイミングが会えば。  縁があればまた再会できる。  でもその保障はない。
彼もそれはわかっている。  何も言わずに。  隣で鼻をズルズルしている。

あっ…。  泣いてるって。  すぐわかった。  でも気付かない振りをした。
気付かない振りをし続けた。

おかしな話しだが。  それが少し嬉しかった。  最初はお節介かとも思った。
旅に出たばかりの彼。  初めての旅に出たばかりの彼。  以前の自分がそうだったように。
彼もまた不安だろうと。  旅の楽しさを伝えたかった。  自分も以前の旅で旅人に会い。
一緒に旅をして。  そこで旅の。  出会いの楽しさを知った。

しかし。  出会いの楽しさ嬉しさと同時に。  別れの辛さも教えられた。
自分も何度も泣いた。
別れ際には泣くまいと。  必死で堪えた事もたくさんあった。
その人との出会いで。  その人が与えてくれたものが大きければ大きいほど。
その時泣いたのは。  寂しくて泣いたんじゃない。  別れが辛くて泣いたんじゃない。

嬉し泣きだ。

その出会いに。  感謝して。  有り難くて。  一緒に旅した日々を思い出すと。
なんだか涙が溢れてる。

それでいいんだ。  きっとそれが旅だ。  泣いている彼を横にして。  もしかしたら。
自分が今まで。  たくさんの人に。  旅人に。  与えられてきたように。
自分も何かを彼に与えられたのかも知れない。

そう思った。

少し彼から離れ、ふらふら散歩した。  自分も別れが辛くない訳ではない。
でも。  それ以上に。  再会した時の嬉しさを知っている。
だれかとの別れが。  また次の出会いを呼ぶ事も。  次に彼に会うのが楽しみだ。
その時は今よりたくましくなった彼が自分の前にいるだろう。

しばらくして戻ると。  両目を真っ赤にしながらも笑っている彼がいた。
そう言えば。  初めて会った日はなんだか疲れた顔で笑顔も曇っていたような気がする。

夕立は一旦治まりかけた後。  すべてを洗い流すかのように激しく降った。
そして。  晴れた。

自分の好きな言葉の一つ。  【No Rain No Rainbow】  雨が降らなきゃ虹は出ない



今日はそんな日だった。
では。

~岩手県宮古市の道の駅より~

 

第七十八話 “ 梅雨明け♪ ” 07-18

昨日は途中でお会いしたI沢さんに教えて頂いた道の駅の畳部屋で一泊♪

息子さんは北海道の自衛隊らしい。
休暇でご実家へ。
もしかしたら北海道でまた会えるかも♪



陽気な人柄で笑顔をたくさん頂きました。ありがとうございます!

さて。  今日は流石45号線って感じの道のりだった。
朝から気温もぐんぐん上がり。  30度。  夏だ。  汗が滝のように流れる。
数日前は小雨混じりで日中18度。  この気温差は堪える。

昨日は出番の無かった地下足袋も、今日は大活躍。
千里の道も一歩から。



這上がる坂道。  景色が良いのが救いだ。
海あり。



川あり。



山あり。



山あり。



山あり…

若干、山の割合が多いがそれは仕方ない。
今日の目的地は近くに設定。  30㌔先の道の駅だ。  その次はさらに40㌔先。
このUP DOWNでは日没迄にたどり着かない。

お昼頃に目的地到着。  あまりの空腹にラーメンを注文♪   ズルズル♪

ところで。  さっきから気になる人がいる。
自分にカメラを向けているような…いないような…。  気のせいか?
とは言え空腹には勝てない。  そんな事も忘れてラーメンをすする。

食べ終えたので周辺を物色。  ウロウロしていると。
『やなっち!』と。
久しぶりに突然名前で呼ばれびっくり(笑)
さっきラーメンを食べているときにカメラを向けていた人だ。
K-SURFさんのブログを見てくださり探してくれていたらしい。

N里さんファミリー♪



差し入れをたくさん頂き、あれやこれやとたくさんお話しした。

その中で。  恐るべき話しを聞いた。  
沖縄のシーナサーフ。  彼等なら…  いや。   あのBOSSならやりかねない…
なんでも。  
自分の姿を写真に撮り、それをシーナサーフに送ると。

その画像がレアならレアなほど。  素敵なプレゼントが出るらしい(笑)
自分も詳細はわからない。
が、
N里さんのはかなりのレアショットと言える。
この旅で一人で飲食店に入ったのは二回目だからだ。
多分。  相当マヌケな顔でラーメンを食べていたはず…。

ヤラレタ…。

まぁ。  しゃあない。  しばらく楽しい時間をご一緒させて頂いた。
*N里さんありがとうございました!

さて。  今日は暑い。
公園で昼寝をしていると。  かくかくしかじか。  のっぴきならない話しを聞き。
この場所での野宿を断念…。

どうしようかと考えていると。  あっ!   てか、早っ!
KENGO君とあっさり再会(笑)
彼はこの次の街で宿を探す予定らしい。 自分もとりあえず次の街まで移動する事にした。

途中。  やはりブログを見て下さったというKさんが差し入れを♪



地元の事は地元の方に聞くのが1番。  あれこれ聞いてしまった。
この先にキャンプ場があるらしい♪
*Kさんいろいろありがとうございました!無事キャンプ場着きました!

さて。  もう6時だ。  峠を下っていると蜩の鳴き声が聞こえる。
彼は無事たどり着くだろうか。  そんな事を考えながら街を目指す。

すると。  坂を登ってくるチャリダー発見!
『おーい!』と手を振ると。  ニコニコしながら手を振替して来た。
そして。  何かしゃべっている。
が。  よく聞き取れない。
『ミチノエキ!ミチノエキ!』とこの先を指指しながら言っている。
『10㌔位先にあるよ!!』と大声で反対車線のチャリダーに伝える。
も。  あまり通じていないようなだ。
ふと彼のフロントバックを見ると。  韓国の国旗が!



テー(?)君だ。  韓国からフェリーで福岡へ。
福岡から舞鶴まで走り。  舞鶴からフェリーで北海道へ。
北海道を一周し、岩手の山の中でばったり遭遇♪
お互いに片言の英語中心でやり取りを。
言葉はあまり伝わらなくてもお互いに気持ちはバッチリ伝わってる。

それにしてもすごい。
日本人が日本を旅しても大変なのに。  韓国から来て日本をチャリで回るなんて。
自分が頂いた食料や飲み物をテー君に。
すると。  彼が。  『ショチュ・ショチュ』とバックから何かを探し始めた。
ん?
と思っていると。



テー君がJINROをくれた♪

もっともっと話していたかったが日没が近い。
『Good Lack!!』とお別れした。

*皆さんにお願いがあります。テー君はこれから(恐らく)自分が来たのと逆向きに四国まで行くと言っていました。
もし彼を見つけたら自分にしてくれたのと同じように彼に接してあげてください!よろしくお願いします!

さてさて。  街に着き。  商店に入り。  後で彼が探さなくて済むようにと思い。
おばさんにこの街に宿はあるかを確認。
ないらしい…。
なので。  KENGO君に連絡しキャンプに誘った。
自分は一足先にテントの準備。



ところでこのキノコ食べれるのかな?



赤松の下にあるってことは。   松茸!?

そろそろ着く頃だと思うけど…  とりあえずご飯を炊いて彼を待つとしますか♪

ではまた!

 

第七十九話 “ 日々是好日 ” 07-19

昨晩。
9時過ぎにKENGO君がキャンプ場へ到着。

ご飯を炊きカレーを♪
自分の分は水加減を失敗したが、彼の分はばっちり♪  人は失敗から学ぶ。

三連休中日。  キャンプ場は家族連れで賑わっている。  笑い声や花火の音が絶えない。
二人で今日の道のりのあれやこれやを話していると。  子供達が騒いでいる。

キャー!キャー♪?  『トイレにおっきいKUM?がいるぅ!!』
思わず二人で顔を見合わす。
ついさっきまで。  『まっさか熊なんて出ないよね(笑)』と自分。
『さっき近所のおじさんと話したら去年すぐ近くに出たって言ってましたよ…』とKENGO君。

『…。』自分。

その直後に子供達の叫び声だ…。
キャー!キャー♪?  『トイレにおっきいKUM?がいるぅ!!』
『今…熊って言ったよね?』  冷静を装うも内心かなり焦っている自分。
だってそのトイレまでたったの10メートル。
その気になれば熊さんと本気の追いかけっこが出来る距離だ。

相変わらず子供達はキャーキャー言っている。
そこに子供達のお父さん。  『危ないからあんまり近づくなよ~♪』
『え?なんで?なんでそんなにのんきなの?』
そのお父さんの言葉にやや唖然。
『は~い。』と子供達。

まてまて。  この辺りでは熊は猫や犬と同じ扱いなのか?
いやいや。  そんなはずはない。
ひぐまじゃなく月の輪熊でも熊は熊だ。  プーさんとは訳が違う。
一瞬でそこまで考えた。
すると。
『熊(KUMA)じゃなくて蜘蛛(KUMO)じゃないですかね?』と…。
あっ…なるほど…蜘蛛か…  それならお父さんの反応も理解出来る。

先入観だ。
岩手に入ってからあまりにも熊の話しばかりを聞くので。
ついつい聞き間違えちゃいました(笑)♪  とは言えやはり熊が気になり。
寝る前に食料&ゴミをテントから離れた場所に置いて寝た自分でした(笑)

さてさて。

自転車日本一周      ~ サーフィンの旅 ~-DVC00324.jpg

朝起きて二人で今日の行程の作戦会議。  次の街にある道の駅で今日も合流する事にした。

それにしてもいい天気だ。



ルンルンで走り出すもすぐに汗ダラダラ。
お昼頃にはフラフラしていた。

暑い。  恐らく。  北海道以外で1番涼しい場所にいるにも関わらず。  バテた。

何とか街にたどり着き。  二人の共通目的。  お風呂とコインランドリーを探す。
街のおじさんに聞く。  すぐ近くにあるらしい。

言われたとおりに道を行くと。  あった♪



しかも自分が好きなレトロな銭湯♪
番台のおばちゃんに390円払い入浴♪
隣の女性浴場からおばあちゃんの民謡を唄う声が聞こえる。
最高のBGMだ。

しばし入浴。  さっぱり♪
お風呂から出ておばちゃんに。  『近くにコインランドリーありますか?』と聞いてみる。
『すぐそこにあるよ♪』と。

教えてもらったコインランドリーに行く。



ふとあるものが目に止まり手に取る。



サーフィンの雑誌?  なぜにこんな場所に?
洗濯機を回しながら。  雑誌を読む。

しかし。  暑い。
風に当たりに外へ出ると。  コインランドリーの隣の家の方が車で帰って来た。
車から出て来た男性が近づいてくる。

見た瞬間に。  あっ!この人はサーファーさんだ♪  と、わかった。
そして。
これでサーフィン雑誌の謎も解けた。  なるほど♪と。

Sさん。



いろいろ話しをしていると。
市内のサーフショップ・North Lineさんに連れて行って下さり、ショップオーナーのSさんを紹介してくださった。
『珍しい時にきたね~』とオーナーさん。  この辺りでこの暑さは年に数回しかないようだ。
『けど波はないよ(笑)』と…。

そして。  雑誌に載ったこの辺りのポイントの決まった時の波を見ながらあれこれと。





再度確認するが。  しばらく波の立つ要素は無いらしい…。
Sオーナーさんは写真NG。   残念…。

North Lineさんを後にした。



コインランドリーへ戻る。
Sさんはこれからお仕事らしく、お礼を言いお別れした。
*Sさん、いろいろお世話になりました!あの後お母さんから差し入れを頂いちゃいました!
本当にありがとうございました!

さて。  その後。  Sさんに教えて頂いたNALUと言うお店に立ち寄り、Hさんとお話しした。



*開店前のお忙しいお時間の中ありがとうございました!

さらに。  ハコブンダー(リアカー)のタイヤがだいぶ減って来たので街の自転車屋さんへ。
『すみません!16インチのタイヤありますか?』と、聞いてみると。
自分の姿を見て目を輝かした。  『ちょっと待ってな!探して来るから!』とおじさん。

しばらくすると、手にタイヤを持って登場!
『いくらですか?』と聞くと。  『サイクリストから銭は取れねぇよ!』と。
ここのお店にチャリダーが来るのは久しぶりらしい。
『今の子は表で遊ばねぇからな』と少し寂しそうな顔を。

ただ貰う訳にもいかないので、必ず必要になるプレーキシュー(ブレーキのゴム)を購入。

すると。
『これも持っていきな!』と、廃棄自転車から取り外したまだまだ使えるブレーキシューを二組持たせてくれた。



*K自転車のおじさん!  本当にありがとうございました!

さてさて。  その後KENGO君と合流。  今日も一緒に野宿だ。
思えば彼も明るくなった。  最近では冗談まで言ったりする(笑)

あれこれ考えるより楽しむ事。  辛いときほど楽しい事やいい事に目を向ける。

熱くてヘロヘロな日も。  雨で惨めな気持ちの日も。  トラブルばかりの日にも。
何か一つくらいいい事はある。

日々是好日。  そんな風に過ごせば毎日が楽しく。  
楽しい毎日が続けばいい人生を。  送る事が出来るんだろう。   と。

暑さに朦朧としながらも今日の楽しい一日に。  感謝感謝です♪

ではまた!

 

第八十話 “ 道標 ” 07-20

昨日は道の駅で二人で野宿。

まずはUポイントを目指す。
N板ポイントで海に入ってからしばらく海には入っていない。
ここまで来る間。
途中にあるポイントにも立ち寄ったがどこも厳しいコンディションだった。

なんとか今日できればいいが…。

KENGO君と別れ走り出す。
一つ目の緩やかに長く長く続く峠の山頂付近で。  抜き去る車の人が声をかけてくれた。
頂上付近で待っていてくれて話しをした。


Norioさん。
Uポイントでサーフィンした帰り道だったようで。  『たまに腰くらいあったよ♪』と。
この時点でテンションアップ!  今日はサーフィンできそうだ!

詳しく場所を聞き、お礼を言って出発。
猛スピードで坂を駆け上がりポイントの入口へ到着。  海への坂を下る。

ドキドキ。  はたして波はあるのだろうか。
海が見えてきた。
そして目に飛び込んで来た景色。







あっというまに着替え。  『いただきま~す!』

サイズは腰。  しかし。  めちゃめちゃクオリティーの高い波。
ついつい深追いしてインサイドのショアブレイクに巻かれる事も度々。

しばらくするとさっきお会いしたNorioさんがやって来た♪  一緒に波乗り♪

しばらくして。
ごちそうさまでしたと海から上がる。



と、昨日お会いしたNALUのHさんとばったり再会。
そしてBANASURFのオーナーさんを紹介して頂いた。

お二人が帰った後。  Norioさんが海から上がって来た。
そしてローカルさん達と楽しい時間を♪


Norioさん。

この辺りではかなり有名なサーファーさんらしく。  そしてビックウェーバーらしい。
なのに。  すごく自然な雰囲気で。
だから。  逆に。  自然に向き合い、挑む事が出来るのかな?と。
自然体。  それが1番だ。  飾れば飾れるほど疲れてしまう。  ありのままで。

さて。  皆さんにお礼を言い。  『行って来ま~す♪』と出発。

少し走ると。  うさぎとかめ。  KENGO君がいた(笑)
二人でラーメン屋さんへ。



また別々に走り出す。
宮城でお会いしたAOKIさんが話していたポイントを見に行く。
今日は波はないがそれでも見て見たい。
この辺りのローカルさんはこのポイントに波が来るのを待ち望んでいる。  そんなポイントだ。

岩手と青森の県堺に位置するクラシックブレイク。
ここにローカルさん達が待つビックウェーブが来ると。





青森県からグーフィーの波を乗り継ぎ岩手県まで。  ワクワクしながらも。  ふと思う。
ボーダーレス。  堺やラインは海には無い。
日本中。  世界中に繋がってる。  海と共に人も一緒に。
このポイントを眺めながら。  ここにやって来るその波と、そんな事を考えながら。

日が西に傾き始める。  そろそろ移動しよう。  道の駅に移動する事にした。

途中。  バイクに乗った人に声をかけられた。  CHIBAさん。
KENGO君も到着し。



三人で乾杯♪
CHIBAさんも昔、散々サーフィンをしたそうだ。
ただ。  大好きなポイントが消滅してからサーフィンから足が遠退いたらしい。
そこの波は。  それはそれは素晴らしかったらしい。

消え行くポイント。
10年後  20年後  30年後  40年後  一体、いくつのポイントが。  どのように変わり。
無くなってしまうのだろうか。
そんな事を考えたら。  寂しくなる。

自分達は波乗りを【している】のではない。  波乗りを【させてもらっている】のだ。  この自然に。
もっともっとそれを感じなければならない。

さて。  話しを戻し。
CHIBAさんがどうしても地元特産の【ほや】を自分達に食べて欲しいと。
近くの居酒屋さんに招待してくれた。

始めて食べるほやの味。





変わった味だ。  でも体にはすごく良さそう♪
他にも。  菊のおひたしやら夕顔やら珍しい食べ物を頂いた。

CHIBAさんは今人生の岐路に立っているようだった。
すごく明るく元気のよい姿からは想像もつかなかった。
お酒を飲みながら。  話しを聞いた。
『俺も旅しようかな…』と。  旅をしたから悩みや迷いが無くなる訳では無いが。

旅は自分と向き合い。  見つめ直し。
新しい自分と出会う事が出来る一つの手段だと自分は思う。
ただ今日こうしてここでお会いし。  同じ時間を。  お酒を飲みながら共有している。
これはきっとCHIBAさんが無意識の内に旅を必要とし求めている結果なのだと思う。

岩手県から青森県に入り。  道はだいぶ平坦になった。
あの笑ってしまうくらいのアップダウンは今日はない。  
しかし平坦な道が楽かと言えばそうでもない。
特に。
道標を失い迷っているときは。  別れ道をどちらに進むか。  決められない時。
立ち止まり悩み苦しむだろう。

でも。  こっちだ!  と、自分で決め一歩進めば。
それが険しい道のりでも行き先の見えない旅路よりは。  楽なのかもしれない。

自分が出来る事。  道標の一つになること。  何を選びどこに進むかは自分自身で決めること。
ただ。
たくさんの道標の中から何かを選ぶ。  その中の一つに自分がなる事も出来る。

出来るのかもしれない。

そんな事に少し気付いたCHIBAさんとの出会いだった。

では!

*CHIBAさん!
本当にごちそうさまでした!!楽しかったです♪
そして待ってます!

 

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