ぷるるるる♪ 朝、部屋の内線電話の音で目が覚める。 『あっおはようございます!』 『よく寝れた?朝ご飯用意してあるから、おあがんなさい♪』 と、おばちゃん。 結局、二食ご馳走になってしまった。 おばちゃんは言う。 『私はこういう風にしてあげられるから幸せ者だよ。したくてもできない人だっているでしょ?』 と。 『だから、おばちゃんに感謝しないで神様に感謝してね!』と。 そう言っていた。 *おばちゃん・おじいちゃん。本当にお世話になりました。ありがとうございました! また、親切と優しさに触れた。 この恩をまた次に。 さて、小雨が混じる中走り出した。 しばらく走ると。 橋の下に車を停め何かをしている人が。 『こんにちは!故障ですか?』と聞いてみる。 まぁ、専門知識も無いので大した役にはたて無いが、力なら有り余っている。 すると。 『いやぁ。ちょっとライトの調整だよ』と、おじさん。 続けて。 『ちょっと一服していかんか?』と。 中野さん。 地元の建築士さんだ。 時間が経つのを忘れるくらい。 たくさん話した。 『貧しくても、心は豊かに生きなさい。』と。 『困ってる人がいたら、見過ごさない事。それが勇気だ。えばったり強がったりするのはそれとは違うんだ。』 昔はがき大将だったらしい。 『がき大将も大変だよ(笑)だって皆を守らなきゃならないからな!今はがき大将がいないんだ。大人数で一人をいじめたりな…。』 と。 『もし、どうしても困ったらいつでも連絡しなさい!青森でも、北海道でもどこでも行ってやるから!』と。 嬉しかった。 そして、中野さんに一つお願いをした。 もし、歩いて旅している子がいたら。 同じように声をかけて欲しいと。 中野さんと別れた後走り出した。 峠。 10%の勾配。 100メートル進むと標高が10メートル高くなる。 つまり。 角度は…えっと… 難しい話しはやめよう(笑) しばらく進み、途中の道の駅で一休み。 KENGO君は先に進んでいるのだろうか? それとも。 自分の後ろを歩いているのだろうか。 また会えたらいいのにな。 と、思って出発しようとすると。 ぷっぷ~♪ 中野さんだ。 『お~い!歩いてる子がそこにいたぞ~!』と。 『えぇ!!』 中野さんの再登場とその言葉に驚いた。 待つこと5分。 KENGO君とも再会できた。 笑った。 大いに笑った。 再会が嬉しかった。 そして。 再会させてくれた中野さんに感謝だ。 あと少しで出発し、坂を下る所だった。 しばらく三人で話した。 彼の今日の目的地と自分の目的地は一緒だった。 再び夜に再会する事を誓いお互い出発した。 そして、今一緒にいる♪ これも巡り合わせだ。 無理に意味を持たす事はないが。 間違いなく意味のある事だ。 その意味を無理に考える事はない。 その時ではなくても。 後から。 あっ!なるほど♪ と、気付く時がくる。 そういうものらしい。 ここまでの旅で学んだことだ。 さてさて。 道の端っこをを走っていると、道には轍がある事に気付く。 轍に乗っている時は気付かない。 が。 外れた道を進むと、その存在に気付く。 轍に近づくと。 ハンドルは取られるし、道もガタガタしたりする。 気付かない内に轍に乗って走っていた今まで。 轍から外れた道を進むのは怖いと思った。 そこを外れれば安定はないからだ。 逆に。 がっちりした轍にはまって進んでいくと。 その轍から。 安定から抜け出せなくなる。 でも。 そこから抜け出せば。 道は自由だ。 ただ。 綺麗な道ばかりは走れない。 それでも自分が進んで行く道を自分で選べること。 そこには。 楽しさや喜びがある。 新しい道を創って行く楽しさがある。 まだ、だれも通ったことの無い道を進む喜びがある。 どちらの道がいいとかではない。 好きな道を進めばいい。 ただ好きな道を進んで行くには。 轍から抜け出す必要があるのかもしれない。 そんな事を考えながら。 走ったり押して歩いたり。 今日はそんな日。 そんな道のりだった。 ではまた! ~岩手県釜石辺りより~ |