ジィジィジ~♪ ちょっとテントのジッパーを開けてみた。 ひんやりとした空気が流れ込む。 手を出して気温を確かめる。 寒いっ!! 日に日に朝の冷え込みが辛くなって来る。 しかし。 僅か0.数mmのシートで覆われているテントの中は。 温かい♪ 風は通さないし。 自分の熱でテントの中の空気が温まる。 このまま。 テントの中でぬくぬくしていたいが。 そうもいかない。 泣く泣くテントを撤収し。 今日も走りだす。 冷たい北風が。 ゴールを急かすように背中を押す。 R389→R3→R270 長島町→阿久根市→薩摩川内市→いちき串木野市→日置市→南さつま市。 今日は走った。 久々に。 狂ったように。 走りに走った約100㌔。 これには一つ理由があった。 途中。 サーフポイントらしき場所をいくつも通り過ぎた。 北風の影響か。 どこも波がない。 江口浜に着き。 天草のAさんに教えて頂いたGANKOさんに到着♪ Nさんに非売品のステッカーをプレゼントしていただいた♪ ショップの前でライダーのKAZUさんや皆さんをパシャ♪ *短い時間でしたが皆さんありがとうございました!Nさん!ステッカーありがとうございました! さて。 何をそんなに急いでいるかと言うと。 昨日の朝。 今日の朝自分がいた場所にKENGO君がいたらしい。 つまり。 朝の時点でここから50㌔圏内にはいるはずだ。 しかし気掛かりは。 この先に別れ道があると言う事だ。 R3とR270の別れ道。 果たしてKENGO君はどちらを選択し進むのか。 もし。 R3でそのまま鹿児島に向かってしまえば。 この旅ではもう会えない。 最後に会ったのは佐賀県だ。 また会えるだろうと思い。 普通に『じゃ!また♪』と言ったきりだ。 その後。 島旅に出た自分。 長崎に戻り。 旅を進めるも。 彼がどこにいるか見当が着かない。 そんな時に手にした情報だ。 近くにいるなら!と。 思えば。 恐ろしく長い付き合いだ(笑) 岩手県の手前。 宮城県で出会い。 それからは。 つかず離れず。 常に近くに存在を感じていた。 きつい道のりも。 彼が歩いて通った道だと思えば。 『負けるかぁ~(笑)』と力が蘇った。 他の旅人に出会えば。 彼に会ったか聞いたり、見かけたら声かけてあげてね♪と言ったりもした。 自分の後ろを歩いていれば。 道や野宿場所の情報を共有したりもした。 結局。 出会って以来。 常に身近に存在を感じていた。 本当に苦楽を共に旅した。 大切な友人だ。 そんな彼に。 最後に会いたい!と、思うのは当然だった。 今日は海が見える度に。 『どうか波がありませんように!』と祈った。 波があったら。 自分は究極の選択をしなくてはならなくなる。 しかし。 波は無かった。 例え波があっても。 今日の自分には見えなかったかもしれない。 夢中で走った。 結局。 分かれ道に着くまでに彼の後ろ姿を見つける事ができなかった。 ふぅ~。 と、ため息混じりの息を吐き。 R270を進んで行った。 どちらに進んだかはわからない。 けど。 きっと…。 そんな思いが更に自分の速度を上げさせた。 R270沿いのGANKOさんを。 足早に過ぎさってしまったのもそんな思いがあったからだ。 久々に足がパンパンになって来た。 ぐっと拳を握り。 言うことを聞かなくなりそうなその足を。 バンバン叩いた。 周りの景色すら見ていない。 視線の先は彼の姿を探してばかりだ。 息を切らし。 坂を登り。 下りに差し掛かった時だったと思う。 この両目が。 見慣れた後ろ姿を。 ついに捉えた。 いたぁぁぁ!! ホッとしたような。 スキップしたくなるような。 学校の廊下で好きな子とすれ違う時のような。 そんな気分だった。 しかし。 冷静に。 いや。 冷静を装い。 普通に声をかけた(笑) 『あぁ~いたいた♪』と。 どうやら今日の目的地は一緒だったようだ。 寒空の下。 普段よりちょっと豪華な夕食を二人で囲み。 話す事はいつもながらの。 くだらない事ばかり(笑) 旅をしていて。 ホッとできる時間だ。 この後。 鹿児島港まで。 KENGO君のペースに合わせて進む事に決めた。 そうする事が。 一番いい♪ と、そう思ったからだ。 この半年間。 数え切れない選択をしてきた。 その結果が今日であり。 これから先の未来に繋がる。 だから。 自分が"そうしたい♪"と思った事に素直に従う事にした。 「それが一番いい♪」 旅をして。 身を持って知った事だ♪ ではまた!